相性【桃】 (ページ16)

今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:230,067 hit

epi.15 ページ16

.

あの日から土日はメッセージのやり取りをたくさんして夜は少し通話したりしたけど
平日は私は残業続き大ちゃんは仕事が忙しくて 1日1回しかやり取りしないことが続いた

週の折り返し地点の水曜日

｢今日も疲れたあ … ｣

帰ってきてすぐ着替えもせず
ぼふっとベッドに倒れるように飛び込むと疲れのせいか瞼が重くなってきてそのまま眠りに落ちた

----------------

｢んん … ｣

朝から軽快なメロディが流れて起床時間だと知らされる重い体を起こしてみれば着替えも化粧落としも何もせずに寝ていたことに気付く

｢またやっちゃった｣

仕事が忙しい時期はいつもこう
でも今日はなんか少しボーっとして頭痛がする

でも遅刻するわけにはいかないから
急いでシャワーを浴びて市販の薬を飲んで家を出た

エレベーターの前で少し辛くてうずくまってると私の階数でエレベーターが止まった

佐｢ A ? ちょ､どうした ? 大丈夫 ? ｣

｢大ちゃん … ? なんで､｣

なぜか大ちゃんがエレベーターから出てきてうずくまってる私に駆け寄ってくる
大ちゃんの手のひらがおでこに当たって気持ち良い

佐｢めっちゃ熱あんじゃん｡こんな状態で仕事なんて行かせられない｣

｢でも今日は会議があって … ｣

佐｢Aより大事な会議なんてないから｣

そう言って私の膝下に腕を入れた大ちゃんに持ち上げられた
所謂お姫様抱っこに恥ずかしさで更に熱が出そう

大ちゃんは私が手に持ってた鍵で部屋を開けると｢お邪魔するね｣って言って私を寝室まで運んだ
そこまで体格は大きくないはずなのに力もあって本当に狡い

佐｢俺ゼリーとか買ってくるから会社に電話して寝ててね｣

｢ … わかった｣

ボーっとする頭で会社に電話を掛けて具合が悪いことを伝えると気にしないでゆっくり休みなさいって優しい言葉をもらって安心したら電話を終えてすぐに眠りについた

.