久々に現世に帰って見たら弟がフィギュアスケーターだった件について。刀剣乱舞＊ユーリ!!!onICE【男主】 (ページ6)

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5話ですねページ6

気がつけばテレビも進行していくと同時に

ぽろり、と…頬を生温いものが伝っていた。
あぁ、俺泣いてるんだ。って気が付いた。でもこの涙は何に対して、何なのかすらわかりやしない。

周りは少しのパニックになっていた。
本当の家族を見つけた今、本当の家族の元に帰ってしまうのではないか、とか。

そんな俺達を気にせずに、テレビの中でまたもぱっとしないほほ笑みを浮かべた写真の彼。

今の家族の元へ飛び出してしまったのは自分自身だ。幸せなのも事実だ。

弟も家族も捨てたこんな最低な俺を弟は拒絶せず受け入れてくれるのだろうか。

でも今の幸せの家族は俺の弟を拒絶するのかもしれない。
考えれば考えるほどまとまらない頭で俺なりにまとまった回答をポツリ、と呟いていく。

『俺は今の家族を離れるつもりなんてないからな？でも、俺、本当に最低だよな…ｯ、この手で、弟を抱き寄せて謝りたいなんて…』

そんな時に、俺の視界はブラックアウトする。誰かに抱きしめられていると気がつくのには時間が掛からなかった。

ふわりとした香りに、凛とした声。
一期一振「弟を想う気持ちがまだ、主殿にあるのでしたらしっかりと自分の気持ちを伝えればいいのです。…大丈夫ですぞ。絶対に分かり合えます」

その言葉に思わず涙が止まらなくなる。
一期一振だから、兄の立場であるからわかることなのだと思うけれど。ソレよりも自分を幸せにしてくれた1人がこう言ってくれるだなんて。思いもしなかったから。

加州清光「そうそう。大丈夫だよ～。だって俺達信じてるもんね。」

安定「…僕達を1番愛してくれていること、誰よりもわかってるからね」

乱藤四郎「絶対に主さんは僕達を捨てたりしないもん。」

獅子王「そうだぜ！俺達はどうなっても本望だ。」

次々と自分を認めるような言葉を掛けてくれる

それは責め立てる言葉ではなくて
もう心の底から込み上げる気持ちで限界だった

まとまらない頭だけれども、こうは思えたんだ。
それは本当に俺はここにいられて良かったと思える事。

『うああｯ…ごめんっ、ありがとうっ』

俺はみんなに甘えるように、今は身を委ねて。
弟が俺自身を突き放さないと信じることに決めたんだ。

明日には。皆と現世に行ける様にするからね。

『…あし、たには…現世にみんなで行くから…よういしてね…』

震える声でみんなに伝えれば。俺は意識を飛ばしていた。

本当に楽しみなんだなと言うように微笑むみんなの顔が見えた気がした。