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出発【桃也】 ページ48

ベランダで煙草をふかしながら、ぼうっと空を見つめる。
あれから少し晴れた空は薄い水色のいかにも晴れた空だった。絵に描いたような空、とでも言えば良いんだろうか。

外は乾いた風が吹いており、半袖だとどこか冷えそうだと思った。なんとなく直感で長めの袖にして正解だろう。

煙を吐きながら、環境音に耳を澄ます。
キッチンの食洗機の音、隣の部屋の子供の声、近くを通りかかった車の排気音、うるさいバイクのエンジン音。これだからバイク乗りは敬遠される。風評被害が酷いのでやめて頂きたい。

グリグリと灰皿に煙草を押し付ける。今日はこれくらいで良いや。
煙草の残った甘い香りが鼻口をくすぐった。

風が吹くたび少し目が痒くなる。花粉症とは本当に大変だ。眼鏡をずらして、指で目を擦った。
スマホで時間を確認すると、もうすぐ十時になりそうだった。

近くの駅から山手線乗って、有楽町で有楽町線に乗り換えれば多分着くだろう。それ以外の線だと多分面倒。
煙草の箱とライターを手に取り、家の中に入る。

乾いた喉を潤すために水を飲んでから、荷物を適当にまとめる。スマホと財布と煙草と……まあエコバックも一応持って行くか。
ハンカチを突っ込み、鞄をごとりと床に置いた。

慣れたもんだとコンタクトをぶち込み、眼鏡をケースに入れて鞄へとシュート。見事にスリーポイントシュートだ。バスケあんまり知らないけど。
バスケは某キセキの世代の物を少しだけ読んだのと、オリンピックを観戦した程度のにわか。というかバスケ以外の大体のスポーツはそうだ。
一応妹が硬式テニスをやっていたので、何となくテニスは知っている。まあそれでもにわかに毛が生えた程度だが。

鞄を手に取って家を出る。電気消したっけ。まあ、消したか。鍵をかけ、エレベーターへと歩みを進める。
俺の家はそこそこ低い階だが、階段は絶対にお勧めしない。このマンションは少し階段が急だし体力が持つ訳がない。たまに十階くらいまで登るご老人を見かけるが、多分あの方はサイヤ人なんだと思う。

エレベーターには鏡が付いているので、何となく髪の毛を整えた。確実に魔力が働いている。

エレベーターの扉が開くと、無数のハエが出迎えてきた。マジで吹き抜けになってるの最悪だろ。
まあそんなに防犯とかしっかりしてる家買える訳ないけどな。と自虐した。一般人なんてそんなもん。公務員なんてそんなもん。

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作者名:藍兎・ 和癒 | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2023年3月19日 12時

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