桃色の花の蕾【派生作品】 (ページ29)

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キャラ【花霞】ページ29

帰ろうとしたら光希先輩が冷蔵庫からタッパー取り出してきた。
何事だ？と思ってよく見それはボクが作ったもの。

「え～、見た目は食べれそう！すごいね花霞ちゃん！」

「…料理できるんだ…。」

この人ボクのことなんだと思ってんの？そりゃあまともな食生活なんてしてこなかったし、万年家庭科の成績2だけど、それとこれとでは話が別物では？
こうなったらタッパーぶんどって持ち帰ってやろうかな。食べきれないだろうけど。

小声で言ったつもりかもしれないですけど聞こえてますからね落知先生。
ボクだって料理くらいできるようになりますよ。包丁握るのに2年かかりましたけど。

『ボクのこと舐めすぎじゃないですか？』

「え～？でも俺と花霞ちゃんで出たお料理番組で料理できないキャラで確立したじゃん。」

笑いを堪えながら昔の話をする光希先輩。

あの時は…結成から3ヶ月くらいたった頃。
料理出来なさそうって言われた2人が収集されてレシピなしで一般的な料理作る鬼畜番組
最初は夢羽先輩とボクだったんだけど、その2人だととんでもないもの作りかねないって理由で光希先輩とボクで出演することになった。

いや…確かにやばかったよ？
塩と砂糖永遠に間違えてたし、レタスとキャベツも永遠に間違えてたし、包丁持ったら指切りそうになる(裏では何回か切ってる)、トマト切ろうとしたらビシャってなったし…。…やばいな。
ネットが騒がしくなった理由わかるわ。なんか最初の方はボクって天才肌ポジみたいなとこあったもんね。天才肌くんが勉強できない運動そこそこ料理できないって生活力皆無だって言われてもしょうがないな。

あれがあったからこそ天然ポジになって、変に背伸びしなくて済んだし、親近感アップしたんだけど…。

「いや～花霞ちゃんも大人になっちゃって…。」

『貴方とさほど年齢差ないですけどね。貴方の怯えてるみなくんと同じ年齢ですけどね。』

割と強めの口調で念を押す。こんなことしたところで、光希先輩は引き下がったりしないんだけど…。

『じゃあ、そろそろ帰ります。落知先生、今逃すと帰るタイミングなくしますよ？』

落知先生に声をかけると、疲れたような声で何か言っていた。なんか半分呂律回ってないような気がしなくもないんだけど…。
この状態で運転して帰らせるのは…大丈夫なのだろうか？普通に事故りそうで怖い。
散々迷惑かけているからタクシー代くらいなら普通に出したいけど、それも迷惑になりそうで言い出せずにいた。