71 F ページ22
今日もまた北山にもニカにも仕事で会う。
グループでの収録があった。
その収録の前に、ドラマの本読みが入っていた。
局は違うが、予定では早めに局入りできるスケジュールになっていた。
北山にメールを返して、立ち上がる。
冷蔵庫に入っていた水を一杯喉に流し込んで、うるおした。
*
ひとつめの仕事を終えて、共演者の方々に挨拶をして、早急に局を後にした。
マネージャーさんの運転するワゴンに乗り込んで、心地良い振動と共に、違う局のゲートを越える。
もう何年もレギュラーでお世話になってるから、さすがに顔を覚えてもらえた。最初の頃は、名前や番組名を警備員さんに伝えてたなぁって、懐かしくなる。
継続は力なり、最近つくづく感じてる。
投げ出したくなったジュニアの頃、
あの焦燥感と嘆きがあったから、俺らはここまで来れた。恩師の教えもあって、現在の大切さを知っている。
でも、やっぱり思い返せば、崖から落ちるような絶望も味わった。
あの時、北山が居なかったら……と思うと怖くなる。
北山を兄のように慕い、懐いていた。
今はそんな彼を守りたいと思う。
これはきっと言葉で表すなら成長、だろう。
アイドルとしての成長
そして一人の男として、の成長。
どんなときも北山が居たから、腐りきらずに乗り越えることができたんだ。
グレーの絨毯をスニーカーで踏む。
両足交互に、前へと踏み出す。
分岐点でマネージャーさんはトイレがある廊下を曲がり、俺は楽屋の方へといつも通り曲がった。
鞄を肩に掛けて台本の重みを感じつつ、「Kis- My-Ft2様」と紙に書かれて磁石に挟まれてるソレを確認して、ドアの取っ手を掴んだ。
僅かに開いた隙間から声が聞こえてきて思わず止める。
さすがにこんな時間だし自分が一番の到着だと疑わなかった。
隙間からちょうど見える位置にふたつの人影。
右目に入ってきたその光景に目を疑った。
声にならない声が息として漏れ、口が開く。
千ちゃんが、北山の肩、いや胸……に寄り掛かっていた。
ソファに並んで
北山はそんな千ちゃんの腰に腕を回して、引き寄せてる。
渉に聞いた宮が見たという、北山が千ちゃんの腰に腕を回していたという情報がよぎる。
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ももは(プロフ) - すーさん» すー様ー!!いつもありがとうございます!お返事が遅くなってごめんなさい(><)わわ!一気に読んでくださりありがとうございます(;;)入れ替わりのお話が苦手にも関わらず読んでくださりとても嬉しいです!心を求めてるFさん、書いてて私もニヤつきました…!|ω`) (2020年7月12日 12時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - ももは様ー!!今更ながら一気に読みました!!!正直入れ替わるお話は難しくて苦手なんですけど、このお話大好きです(;_;)入れ替わっていてもKさんの心を求めているFくん…2Sもとても良い…結果皆良すぎる…読んで良かったです(*^^*) (2020年7月9日 22時) (レス) id: ab6ce27cc0 (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - りぃ☆彡さん» りぃ☆彡さん!いつもありがとうございます!お返事が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。2sグッジョブでした…!FKも何とかハピエンにできました…☆本当に最後までお読み頂きましてありがとうございました!感謝しています(/ω\) (2020年7月5日 22時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - ももはさん!完結おめでとうございます!2sがグッジョブでしたね!弟組はいつの間にか成長したんだなぁとホッコリしました。FKも無事ハピエンで良かったです!葉桜〜更新楽しみにしてますね! (2020年6月29日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - 喜友名 立子さん» また、機会がございましたら他の短編集で書いてみたいと思ってます!私も今作の2sの日常を地味に書いてみたいなぁって思ってました!少しお時間をいただきますが、その際は是非お読みいただけると嬉しいです♪本当にありがとうございました…! (2020年6月28日 17時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももは | 作成日時:2020年6月7日 7時