僕らの彼女は猫かぶり。2期 【名前変換オリジナル】

あ、ありがとう。 ページ27

ガクッと足首が曲がり、私は体制を崩した。

その先は、崖。

必死の抵抗も虚しく、体は空中に委ねられた。どんどんと下降するなか、蛍くんの呼び声だけが聞こえる。

下は岩場のようだった。私は固く目を閉じる。

このままだと死ぬ＿＿！

地上まで、あと２メートル。

「…っ、Aさん！」

「……え」

目を開くと。

蛍くんにお姫様抱っこされていた。

「だ、大丈夫ですか？」

「あれ、え？なんで…」

ゆっくりと立ちつつ、私は首を傾げた。なんで、崖の上に居た彼が、私を……？

蛍くんはしばらく私を見つめた後、意を決したかのように口を開いた。

「Aさん。変なこと言ってもいい、ですか」

「え、いいけど？なんで？」

「キチガイだと思うかもしれないですし、嫌いになるかも……」

「ならないよ」

きっぱりと即答する。今更だよ。

蛍くんは私の瞳をじとっと見ると、はあ、とため息をついた。どこからか、祭りのりんご飴のような、甘い香りが匂う。

「……ボク、瞬間移動できるんです」

「瞬間移動？」

あれ、じゃあ蛍くんも。

……まじか。

？？？？「いえ」→←？？？？「貸しますよ」

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