俺は魔王で嫁が勇者で命狙ってくるってもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

38枚目 ページ40

とにかく！とアルくんが手を鳴らす。

「ロンド。早く魔法を解いてください」

「そりァできやせん。自分で解けねえもんで」

自分で解けないもんを人様にかけるんじゃありません！

ったく……やべえよ、俺ただでさえ華がねえっつーのにこれで魔法かけられたら一生童○じゃねえか。魔王様お世継ぎできないよ、この国滅ぶよ⁉

しばらく俺たちの慌てる様をジト目で見やるロンド。薄紫色の髪をぐしゃぐしゃと掻いたあと、ぴっと人差し指を立てる。

「＿＿一つだけ、解く方法がありまさァ」

「「「⁉」」」






「ロンド様のメイドになる……ならない……なる……ならない……あ」

「こんにちはソフィ、花占いですか？」

花壇の花を毟るソフィの前に現れたアルフレッド。ソフィはちらりと彼を見るも、また目を花に戻す。

「は、はい……ロンド様のメイドになれるかどうかって、占って居て……」

「ロンドの、ね」

突然冷たく言い放つアルフレッド。動揺したソフィは、ばっと立ち上がって彼との距離を詰める。

「あ、貴方に彼の何がわかるんですか！ロンド様は素晴らしいんです。私の、理想の……」

「私じゃ、駄目なんですか？」

「ふぇ」

顔を上げたソフィの頰をなで、爽やかに微笑むアルフレッド。

「私は、君の理想には、なれませんか」

「……っ⁉」

かああ……と一気に顔が紅潮していくソフィ。後ずさり、アルフレッドから距離を取る。両手で顔を隠した。

「なっ、なっ、アルフさん⁉」

「魔法、解けました？」

「ふぇ……はい」






二人の様子を見守る男たち。

魔王がうん、と頷く。

「俺、これには貢献できねえかも」

おかっぱの父がなんじゃと、と拳を握る。

「我だってそうじゃ。頑張るしかないじゃろ」

そんじゃ、とアホ毛をぴょこぴょこさせた暗殺者が意気込む。

「俺たちで女の子を口説けば、魔法は解けるんだよね。頑張ろー」

紅目の魔道士がおい、と口を挟む。

「勢いつけるとそのままゴールインしちまうからな。気をつけてくだせぇ」

男共、口説き祭開始＿＿

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