23枚目 ページ25
「ん〜、よし！できた！」
「何ができたのよ、ササキ」
ひゃっほい、と奇声を上げるササキの後ろのハンモックで、ぱたん、と本を閉じたリオナ。最近は暇な時によくここへ訪れ、ササキの研究を横目に読書に勤しんでいるのだ。苔むしたレンガに覆われたここ地下室は、心地よい涼しさでエアコンよりもよっぽどいいのだ。
ハートの眼鏡をかけたササキは、ぬふふと笑ってリオナの方を向く。フラスコに入った、まがまがしいピンク色の液体を指さした。
「私が研究に研究を重ね！やっとできたクスリ！」
「名前は？」
リオナがそう聞くと、ササキは固まり、黙りこんでしまった。 気になって、彼女の悩まし気な顔を見つめていると。
「そういやこれ、なんのクスリだっけ」
「え……」
まぁいいや！と明るく笑いのけたササキは、自然な流れを装ってリオナに渡す。
「おい」
「あげるあげる！毒ではないから、あの、大丈夫なヤツだから！……多分」
「多分じゃダメでしょ自分で作ったものは自分で処理しなさいよ」
見つめあう二人。不意にササキがじゃあ、と口を開いた。リオナは再度ハンモックに寝そべり、肘をつきつつ眉をひそめる。
「じゃんけんで負けた方が持って帰るということで」
「いやそれ私良いことなくn」
リオナの言葉を遮りじゃんけんを始めるササキ。つられてリオナも手を出してしまった。
「……」
「自業自得ね」
ササキがぐー、リオナがぱー。メガネが鈍く光り、うつむく彼女の肩に優しく手を置いた。
しかし、ここで引き下がるササキではない。がばっとリオナの方を見やる。
「古来よりじゃんけんは三回勝負と決まっている。古事記にもそう書いてある！！」
「え、書いてないでしょ」
いいから、と続く二、三回戦目。あっけなくリオナが勝利。床に突っ伏したササキをめんどくさそうに見ていると、スっと立ち上がった。
「いいでしょうあなたの勝ちです……さぁ第二ラウンド、あっち向いてほいに移りましょうか」
「えぇー……」
まぁ普通にリオナが勝つわけで。
最終的にササキが土下座をして、リオナのもとにクスリがやってきましたとさ。
続く
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モモハ(プロフ) - 鬼羅.。さん» うおお、めっちゃびっくりした。ありがとね(*'▽') (2018年8月3日 20時) (
レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
鬼羅.。 - 一位おめだぜ！本当に応援してる！これからも楽しみにしてるから！頑張ってね！一言ですまんぜ！ (2018年8月3日 20時) (レス) id: a6f636573d (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - うららkさん» ありがとうございます(*´∇｀*)！先日はアドバイスいただき本当にありがとうございます。うまくできてるかわかりませんが、これからも頑張りますのでよろしくお願いします！ (2017年11月8日 20時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
うららk - おお！ １位おめでとうございます！ 陰ながらあなたの作品をいつも応援しています！ 更新頑張ってください。こんなに面白いのはあまり読んだことがないので、ワクワクします！ (2017年11月8日 18時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ことね提督 元燐華さん» めっちゃ嬉しいです(｀・∀・´)ありがとうございます！ (2017年10月28日 17時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
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