異界へようこそ! ページ37
「というわけで……」
「や___っと帰ってきたねー!つっかれたー」
ぼふん、と自分のベッドにダイブし、ころころと転がるA。紫苑とグレイが未だ互いをいびるなか、藍巴が開け放たれたゲートを閉める。月輝がカレンダーを見ると、変な声を上げた。
「11/5って……どういうことだよ」
月輝の震える声に、グレイが反応する。紫苑と取っ組み合ったまま、顔をこちらに向けた。
「……今までの、こっちの時間分の他の人の記憶は、オレが適当にやっといたから」
直後に来たメール。ん?とAがスマホを開く。
「げっ。なんで私と月輝と紫苑が三人でハワイ?寒くない?」
「俺んとこにも結構着信履歴あるな……めんどくせえ」
不意に、紫苑が立ち上がる。続いてグレイも、舌打ちしながら腰を上げた。
「ま、どうにかなるでしょ。ボク帰るー!」
「鍵ないのにどうやって帰るの。……オレも帰るけど……」
又してもばっと開け放たれたゲート。足を伸ばしかけた二人は立ち止まり、Aたちの方を向いた。
「ってことでAと月輝、バイバイ!今度油揚げお土産に持ってくるからね!」
「うるさい……じゃあね」
二人はゲートの中へ消えていった。藍巴が時計を見て立ち上がる。
「もう夜じゃん⁉授業準備しないと……あー、二人ともじゃあね。お邪魔しましたー」
急いで窓の外へ飛び出していった。月輝がふは、と笑うのを見て、Aがどうしたの?と聞く。
「いや、騒がしい奴らだなと思ってよ。……ハロウィン終わっちまったな、A」
「あ、そういえば」
ごそごそとベッドに隠してあったお菓子を取り出そうとするAに、不意に月輝が覆いかぶさった。
「おっと。月輝?ちっちゃいよ?」
「そこで身長持ち出すんじゃねえ、馬鹿」
なおも背後から抱きしめてくる月輝。Aは多少戸惑いつつも、極めて平静に努める。ほれ、と飴を取り出すと、月輝の口に放り込んだ。
「トリックオアトリート!……って、遅いなこれ」
「……あのさー、A」
飴を舐めながら喋っているせいか、少しくぐもった声がAの耳元で囁く。あんまりキュンともすんともしないってラブコメヒロインとしてどうなんだろうか。
「……お菓子やるから悪戯させろ」
「……いいよ」
__飴の甘い味がした。
おしまい
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モモハ(プロフ) - シャロさん» 覚えてるよ!ちょっとボード行こう。 (2018年2月25日 17時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
シャロ(プロフ) - やぁやぁ。お久し〜覚えてる?笑 (2018年2月25日 17時) (レス) id: 1472190f96 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 美桜さん» そうですね、あくまでこれフィクションなので(笑)憑かれる人は憑かれると思うので、ホントそれはお気をつけて!今後も頑張ります(´ω`*) (2018年2月25日 15時) (レス) id: dd38aab961 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 「こっく○さん」は本当に存在します、中学の頃学校沙汰でお祓いを受けました。呪われた友人も除霊を受けました。読者の皆様本当にしないでくださいね!と変なメッセージすみません。それを踏まえて今後の作品も頑張ってくださいね^^ (2018年2月25日 10時) (レス) id: 948a3de26c (このIDを非表示/違反報告)
シャロ(プロフ) - モモハさん» ありがとうございます!笑 (2017年10月6日 19時) (レス) id: 1472190f96 (このIDを非表示/違反報告)
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