俺は魔王で嫁が勇者で個性的な仲間に囲まれてもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

156枚目 ページ23

「うおっ、すいません」

「あああ、私の方こそ」

そっちはアズマの護衛領域だ、とでもいうように視線を横に移したヤマト。それに反応したアズマは、ぴく、と耳を揺らした。

(包帯してんのに、これ見えてんのか？)

少し顔を近づけては、ルイカの瞳部分に集中するA。リオナは彼の隣で、ルイカたちの身分を知っており分かっているものの、状況を見守っている。

「そこの赤毛。ちょっと怪しい。この子に近づかないで」

「ちょっと怪しいって何」

さっき守れなかったのが悔しかったのか、それともヤマトに馬鹿にされた気がして苛立ったのか。目を鋭くしてそう言い放つアズマは、ルイカを抱きしめながらAに威嚇する。理不尽、と心の中で小さくぼやきつつ、一応Aは距離を取った。

しかし、アズマは更に疑いをかける。

「……ねえ。財布盗んだの、貴方じゃないよね」

「え”っ、冤罪ですよやだなーモー」

(本当に違うのに、そんなにわざとらしかったら逆効果でしょうが)

リオナが怪訝そうに見やったのは、誰も見ていなかった。

アズマはほらやっぱり、と決めつけておっさんを睨みつける。

「とんだ冴えないおっさんかと思えば、小汚い盗っ人だったなんて。……ルイカ姫専属護衛、アズマが成敗する！」

(ちょっと待て今凄い肩書聞こえたんだけど)

あとちょっとヤマトの持ってる本が気になるAでした。

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