俺は魔王で嫁が勇者で個性的な仲間に囲まれてもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

153枚目 ページ20

「つーわけで、まあなんとか謁見イベはクリアしたんだよはい」

「お勤めご苦労様でさァ」

「ヤクザみたいだからお勤めとか言わないのロンドくん」

満月の夜、じとじとした暑さの中。俺はYシャツのままだが、ロンドくんは、なんつーのこれ……着物？を着て、街の一角に立っている。そろそろ来るであろうリオナとソフィちゃん待ちだ。

そう、何と言っても今日は城下町でお祭りがあるとか！来てよかった！お祭り初だわ、初お祭り、まじまじ。

内心つか思いっ切りそわそわしちゃいつつも、今にもナンパしに行きそうなロンドくんの袖を掴んで離さない俺。袖を掴んで離さないとか青春かよ、やだよロンドくんととかリオナとがいい。

そんな中、ふとﾊﾟﾀﾊﾟﾀと下駄の鳴る音がする。ロンドくんがそちらに目をやり、それにつられて俺もまた視線を向ける。

「す、すいませっ、着るのに時間かかりましたぁっ」

「女物の方が着にくいのよ。別にいいじゃない」

黄色が基色で、あちこちに赤とんぼの柄がちりばめられた着物を身にまとうソフィちゃん。そして。

濃い桃色に黒い蝶々柄の映える着物を着て、長い黒髪をお団子にしたリオナ。

超可愛い。

祭り万歳。

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