130枚目 ページ42
紫の閃光が収まった後、俺は瞑った目を開いた。
「あの、ロンドくん?今のって……」
「俺に惚れる魔法の改良版でさァ。大分コントロールできるようになりやしてねェ。これでお妃様は魔王様にメロメロですぜィ?」
いや、えー……?助かる、確かに助かるんだがよ。俺はドヤ顔で見てくるロンドくんに向き合う。
「もう、しばらくはこの魔法使っちゃ駄目だぜロンドくん」
「え?」
「女の子の気持ちをこういう風に簡単にこっちに向けちゃマズいんじゃねえかなと。ほら、沢山の壁を乗り越えていってゴールする時にしかない幸せというものもあるしね?いや、感謝してんだけど……ちょっと、解除してくれませんかね」
ロンドくんは少し驚いたように目を見開く。そして口角を上げ、微笑んだ。
「……そう言うんならしょうがないですねィ。もう解きやしたから、さっさと迎えに行ってくだせェ、魔王様」
なんかイケメンだなおい。
俺が立ち上がった反動で、パーカーのフードが落ちた。力強く頷くと、俺は駆け出す。
ロンドくんの魔法は凄いけど、もっといい使い道があるはずだよな……誰か教えてくれよ。
きっとアイツの根は良い奴だから。
その後、ロンドの友達がたこ焼きを食べながら駆け寄った。ロンドは桜に寄りかかり、自分の手に魔法陣を乗せてぼんやりしている。
「ロンド、どうしたの」
「ん……俺ァ、この魔法をどう生かせばいいのかと思ってな……」
陰る彼の顔を見た友達は、不意に吹き出した。ロンドがムッとして彼を睨むと、ごめんごめんと軽く謝る。
「簡単なことだよロンド。俺の時みたいに、人を救う為に使えばいい。気づいてないみたいだけど、お前のおかげで救われた人はいっぱいいるんだよ」
「人を、救う……」
うん、と友達は満面の笑みで続けた。
「少なくとも女の子を自分に惚れさせる為に使ったら魔法学校の男が総出でお前を始末しちゃうから気をつけて」
「あッ、なるほど了解でィ」
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モモハ(プロフ) - 健全(?)女子しょーがくせー(明日で健全(?)女子ちゅーがくせー)さん» はい!ばっちり言う経緯とかも決めてあるので、お待ちください! (2018年4月9日 20時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(明日で健全(?)女子ちゅーがくせー) - モモハさん» リクエストお応えありがとうございました!なかなかいい感じですなぁ。さてさて名物リオナちゃんの「ど、どこ行ってたのよ!」を待ってます!よろしくです! (2018年4月9日 12時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中)さん» そうだったんですかΣ(・ω・ノ)ノ!いえいえ、描いていただけただけでも光栄です!これからもよろしくお願いしますね(*´▽`*) (2018年3月30日 13時) (レス) id: dd38aab961 (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中) - モモハさん» もう、そちらに画像提供ができなくなったわけです。ごめんなさい!かくといっておきながら、中途半端なことしてしまって!ごめんなさい! (2018年3月30日 10時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中) - モモハさん» すみません!どうしても、飛べない事情が分かりました!私トンでもないミスを犯していまして、私ログインしてないので、iPadでアップロードしてるんですよ。それで、諸事情によりそのアップロードした画像を消さなければならないわけでして、それで (2018年3月30日 10時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
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