129枚目 ページ41
「随分綺麗なところだね。この国一番じゃない?」
「そうですねィ……ん?」
桜並木を歩く中、ロンドはふと一点を見つめ立ち止まった。彼の親友(番外編参照)が首を傾げる。
「どうしたの?」
「いや……悪ィ、先行ってくれ。ちょっと野暮用でィ」
わかった、と去っていく友を視界の端で捉えたのち、ロンドはふう、と軽く息を吐いた。目を閉じて、目の前の桜の樹の下に座り込む男に声をかける。
「なんでそこに座ってるんでィ。桜の樹の妖精ごっこですかィ、魔王様」
「うおっ、ロンドくん⁉しーっ、ちょ、おい、こっち来てお前もしゃがめっつの‼」
逃〇中に出てくる芸能人並みに、縮こまっているおっさん。何を隠そうこの国の王様だ。パーカーのフードの中からは、綺麗な赤毛がチラ見えしている。
とんでもない快晴の空の下、桜の樹の下にしゃがみこむおっさん……不審者にしか見えないのである。
しかたなく隣に胡坐をかいて眉をひそめたロンド。小声で続ける。
「何一人で〇走中してるんでィ。知らないのかィ?あれはハンターが居ねェと成立しねェんでさァ」
「逃走〇じゃねえわ!……隠れてるんだよ、リオナちゃんから」
「そりゃまたすげえ状況だと思うんだがなァ」
そして説明するA。ロンドはなるほど、と相槌を打つ。
「それで、しばらくして帰ってきた魔王様にお后様がしがみついてどこ行ってたんだよって泣きじゃくると。結構無理ありやせんかィ?」
ロンドがそう言うと、だよなァ、とへたりこむ魔王様。ぶつぶつとぼやき始める。地面に指で桜を描き始める。
「いや、だってあの子がさ?嫉妬して、ちょっと泣き顔で、「ど、どこ言ってたのよぉ!」ってなるわけないじゃん?でも俺もね、ちょっと読者さんの為に頑張りたかったんですよ。一応主人公だし?だから割と考えた結果がこれであるからして……」
「はいはい。なんかわかんねえけどわかりまさァ……俺が協力しやしょうかィ?」
軽く立ち上がった魔道士の少年を、おっさんはバッと見上げた。
「マジで?え、どうやって?」
「俺だって、魔法学校で昼寝ばっかりしてたわけじゃねえんでさァ。【リ・ルナル】!」
ロンドとA、そして少し離れた……リオナがいるであろう場所からも、紫の閃光が放たれた。
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モモハ(プロフ) - 健全(?)女子しょーがくせー(明日で健全(?)女子ちゅーがくせー)さん» はい!ばっちり言う経緯とかも決めてあるので、お待ちください! (2018年4月9日 20時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(明日で健全(?)女子ちゅーがくせー) - モモハさん» リクエストお応えありがとうございました!なかなかいい感じですなぁ。さてさて名物リオナちゃんの「ど、どこ行ってたのよ!」を待ってます!よろしくです! (2018年4月9日 12時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中)さん» そうだったんですかΣ(・ω・ノ)ノ!いえいえ、描いていただけただけでも光栄です!これからもよろしくお願いしますね(*´▽`*) (2018年3月30日 13時) (レス) id: dd38aab961 (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中) - モモハさん» もう、そちらに画像提供ができなくなったわけです。ごめんなさい!かくといっておきながら、中途半端なことしてしまって!ごめんなさい! (2018年3月30日 10時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中) - モモハさん» すみません!どうしても、飛べない事情が分かりました!私トンでもないミスを犯していまして、私ログインしてないので、iPadでアップロードしてるんですよ。それで、諸事情によりそのアップロードした画像を消さなければならないわけでして、それで (2018年3月30日 10時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
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