俺は魔王で嫁が勇者でギャグ小説ってもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

92枚目 ページ4

ラギファルト大帝国、大稽古場。

朝のレッスンが終わり、庭の広がる石畳の廊下を歩くリオナとソフィ。リオナがふと声を上げる。

「お妃様、どうなさったんですか？」

「なんで稽古場にAたちがいるのかしら」

妃の疑問にソフィが手をポンと叩く。無理やり三つ編みにした跳ねっ毛の金髪が、軽く揺れた。

「アルフさんから聞いたんですけど、A様は剣術を習い始めるとか。それで、なんと剣術の指導はアルフさんの弟さんがするらしいんですよー！」

やっぱり似てるんですかねっ、と笑うソフィの顔を、まじまじと見つめるリオナ。少し気恥ずかしくなったソフィは顔を伏せがちに尋ねる。

「あ……あの、リオナ、様？」

「メイドって必ずしも『ご主人様』とか言うわけじゃないのね」

「ふぇ！？そっ、そんな恥ずかしいこと、できませんよお！」

「そう？……ふふ、大分私に慣れてくれたわね。嬉しいわ」

微笑んでメイドの頭を撫でるリオナ。ソフィはこの時、漠然と思ってしまった。

この国で一番悠々しいのは、リオナではないだろうか、と！






「＿＿で、そのアルくんの弟は？」

約束の時間から30分経過。未だ剣術指南役は現れない。

アルくんがスマホと睨めっこしながら、すいません、と謝る。

「あいつ本当に気ままで……ほら」

そう言って彼が差し出したRINEを見ると。

あ、兄上?ごっめーん、もうちょいかかるネ笑

ママ上とパパ上にお土産買ったなう☆

アルくんの弟とは一体。

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