俺は魔王で嫁が勇者でギャグ小説ってもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

108枚目 ページ20

「流石はラギファルト大帝国。なかなかいい湯でした」

「おい、王様。コーヒー牛乳と牛乳、どっちがいい」

12時近くの謁見室で、豪奢な椅子に座り肘をついた俺。隣にはリオナちゃんが平然と座っており、手前にはお風呂上がりでつやつやのアルくんと、まぶたを擦り欠伸を耐える眠そうなソフィちゃんが佇んでいる。

対して突如訪問したのはフィーハル王国の方々。ど真ん前で美味しそうにコーヒー牛乳を飲む、リオナちゃんのお兄様、俺のお義兄様であるノア王。眠そうに首をコクコクする厩舎係のエシナモちゃんと、それを支える彼氏、ノア王の臣下のラファエルくん。

首にタオルをかけた魔王は、ゆっくり問いかける。

「えっと、お義兄サマ？何の御用で参ったんですか？」

コーヒー牛乳を飲み干したお義兄様は、幸せそうに笑いながら答える。

「ああ、用というほどでも無いんだがな。リオナに会いに来た！というのもまあ、ほどほどにあるが……一応貴殿の国とは友好国だからな、絆を深めようと」

絶対前者が本音だろ。友好国ね、ありがとね。

リオナちゃんがあらまあと微笑む。

「それは喜ばしいことですね。今日はもう夜も更けてしまいましたが……また明日にでも何か」

「あ、待ってリオナ。王様は明日の朝から結構お忙しいの。だからね、夜明けまでには出発しないと……」

「おっさん魔王。いくら夕方に思いついていきなり来たからって、王様は悪くねーぞ。来てやったんだ、感謝しろ」

「はいはい感謝感謝ラファエルくんこの若造が」

見つめあった王様と魔王様。エシナモが手を鳴らした。

「それじゃあ、リオナ。王様と魔王様はお話があるみたいなの。一緒にどこかで話しましょ？」

「ええ、いいわ。……というわけで、A。エシナモ、寝室に連れて行くわね」

二人は、俺がああ、と言う前に、そそくさと去ってしまった。

ノア王が口を開く。

「ラファエルとそこの従者の方々も、ご退室願えるだろうか」

「王様……わかった」

「魔王様、よろしいですか？」

「魔王……ふぁま」

ソフィちゃん欠伸堪えられなかったろ。

俺はドギマギしつつも、小声でいいぜ、と許可を出した。三人が部屋から出ると、一気に室内が静まり返る。

「さて、魔王A殿＿＿」

ノア王が、真剣な顔となった。俺はごくりと唾を飲む。

「話がある」

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