85枚目 ページ43
「ねえ、ヴァル」
「何?」
イザベラはヴァレンタインの横顔を見据える。
「あのおっさん、本当にあれで良かったのか?」
「あれくらい言わないと聞かないからね」
二人は豪奢な屋敷の前に立ちふさがり、前を向く。踏み込んだ。
ヴァレンタインが白いマフラーに顔を埋めると、イザベラがはっきりと言う。
「……じゃ、姉さんに何かあったらボクが許さないからねっ!」
「はいはいっ」
二人は扉を蹴破り、中へ駆け込んだ。突如現れた客人に戸惑う少数の衛兵を薙ぎ倒し、笑い声のする大部屋へ向かう。
ヴァレンタインは手刀で敵を倒す中、ふとイザベラの方を向いた。彼女は舐めてかかる衛兵に対し、回し蹴りを食らわせる。ひゅう、とヴァレンタインが口笛を吹いた。
「なかなかいい蹴りだね」
「どうも。お前も後で蹴ってやろうか?」
「遠慮しとく。……さて、あと1分だ。ぎりぎりだったね」
口角を上げるヴァレンタインには答えず、表情の見えないまま、イザベラは扉を開けた。
そこには、横たわったシルヴァと君の悪い男たちの姿。シルヴァは黄緑を主としたフリルの目立つドレスを着ており、その他の男は皆『シルヴァちゃん命』と書かれたハッピを着ている。
大きな音を立てて開かれた扉に、大勢の男が一斉に振り返る。
「結構多いな……え、お嬢さ」
「手前ら、覚悟できてんだろうなァ?姉さんを返せ!」
殺気ヤバイよ?人殺しちゃダメだからね?え、ちょっと、お嬢さん??
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866 - モモハさん» どーいたしまして!! (2018年7月15日 20時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» ありがとうございます!そう言っていただけるともう、あれです、昇天します()ありがとうございます! (2018年7月15日 16時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
866 - たまにメタなとこが出る、それがいい!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
866 - 凄く面白いです!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - リックンさん» そうなんですか、最近低浮上気味なんですが……これからも頑張ります(*´∀`*) (2018年6月27日 21時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
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