俺は魔王で嫁が勇者でイベントあり過ぎてもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

44枚目 ページ2

「アールーくーん」

「なんですかA様」

「呼んだだけ♡」

「……」

「アッ、それ一番傷つくヤツ」

ちょっと外が暗い、曇りの日。

毒沼に囲まれたラギファルト大帝国のお城は、今日も平和だ。U○J行きたい。

大量の書類畑に、うつ伏せになる魔王(おれ)、A・ラギファルト。絶賛書類整理(はたけしごと)中。ヘルパーも募集中。マジで終わらん。

「アルくん肉まん買ってきて」

「終わったらいいですよ」

「買ってきたら終わるんだよ‼」

俺はバッと瞳孔をかっ開いて執事を見やる。同時に、扉を叩く音が聞こえた。ネクタイを締め直しつつ、どーぞ、と声をかける。ゆっくりと扉が開いた。

「仕事の調子はどうかしら、A」

「リオナちゃん……僕はもう疲れたよ」

「私はフラ○ダースじゃないわ。死ぬのはごめんだからね」

ええー、と脱力しつつも、思わず笑みがこぼれる。大分、リオナちゃんも柔らかくなったみたいだからな。

リオナちゃんはツカツカと書類畑にやってくると、その辺にテキトーに置いてあった一枚の紙を手に取り、読み始めた。ちょっと照れるな。

「字ぃ汚な」

「アッ、はい」

「でも……」

リオナちゃんは目を細め、紙を見据えたまま告げる。

「大分出来はいいと思うわ。隣国との今後についてもよくまとめられているし」

「でしょ⁉うん、流石俺様魔王様」

「調子に乗らない」

「はい」

45枚目→←続・表紙

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す