88枚目 ページ46
「失礼します、A様。お客様をお連れしました」
「お、入ってー」
ある朝。執務室に入って来たのは、アルくん先頭にイザベラちゃんとシルヴァさん。周りの環境に戸惑いながらも礼儀よく入ってくる。
「「……失礼します」」
「ほいほい」
ちなみに俺は今日も元気に
……はー。
アルくんが持って来てくれたおしぼりで顔を拭き、ソファについた姉妹に対面する俺。やっぱいいわおしぼり。おしぼりで顔拭くのおっさんくせえとか思うかもしんねえけど、やめらんねえんだよなこれ。いいよ?おススメよ?
「まさか貴方が魔王様だなんて……驚きました」
そう言ってはにかんだシルヴァさん。かわいいとか思ったら瞬間的に隣の暴力的な人から蹴られそうだからやめとこ。
「痛ッ、なんで!?」
「あ〜、ごめんなさぁい。なんかぁ、今わたしに対して変な呼称使ったかなぁって思ってぇ〜」
「エスパーかよ!」
「認めんのかよ」
あ、素が垣間見えた。
俺とイザベラちゃんの間で、アルくんが咳払いする。
「A様。お客様に本日のご用件を」
「あ、そうだったそうだった」
怪訝な顔をする姉妹のもとに、一枚の書類を手渡す。イザベラちゃんが首を傾げた。
「これは?」
「白紙の履歴書。二人に記入してほしいんだよ」
「どうして、ですか?」
「宰相にするから」
ぺら、と二人の手元から履歴書が落ちる。
「「はい?」」
「A様?それはどういうことですか!?」
アルくんまで慌てふためく始末。相談してなかったからな!
まあ落ち着いて、と三人をたしなめ、俺は口を開いた。
「みんなが知る通り、今この国は戦争ばっかりやってる。外交関係は最悪。所謂悪政ってやつな」
「お前」
イザベラちゃんを制し、続ける。
「んで魔王の権力も弱い。ま、変わったばっかりだし、俺だし、な。つーことで、俺が直々に宰相に見合う人を探してる時に、貴女方にあったんだよ!」
俺は立ち上がり、手を差し伸べた。
「だから、宰相になってください」
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866 - モモハさん» どーいたしまして!! (2018年7月15日 20時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» ありがとうございます!そう言っていただけるともう、あれです、昇天します()ありがとうございます! (2018年7月15日 16時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
866 - たまにメタなとこが出る、それがいい!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
866 - 凄く面白いです!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - リックンさん» そうなんですか、最近低浮上気味なんですが……これからも頑張ります(*´∀`*) (2018年6月27日 21時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
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