【暁のヨナ】 四龍がいるなら獣人もいたっていいよね？

狛犬さんと狼もどき６ ページ40

カロはへらっと笑ったあと、ふと真顔になる。

カロ「本気、だから。…頼む」

…へえ。本気、か。

俺は右手でポリポリ頭をかく。

オリ「…つってもなあ。せめてお手本ぐらいねぇと」

カロは数秒黙りこくったあと、あ！と声をあげた。

カロ「アグネの真似すればいいんだよ！」

…え˝。

俺が無意識に怪訝な顔をしたのだろう。カロが念を押す。

カロ「オリだってアグネみたいになれば怖くないの！―――本気だよ私！！」

オリ「へえ…いいぜ。引っ越そう」

とたんにカロの目が輝く。

カロ「ホントか！？」

―――いつも通り、カロの額に軽くデコピンしようとした。カロが構える。

が。

そのとき、満月が現れた。

俺は、いや…僕は手をひっこめる。

カロ「…オリ？」

不思議そうにこちらを見つめてくる人間のカロに、僕はアグネのようにへらっと笑う。

オリ「僕も頑張る。…本気、だもんね！」

まだ慣れてなくてぎこちない。これからのことも不安だ。

それでも、カロとなら、やっていける気がするんだ。

僕たちは、荷物をまとめた。

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