今夜君が欲しい【前編】

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情事後、ガヤが準備してくれていた風呂に入る。
ガヤの秘孔の中を綺麗に掻き出した後、二人で密着しながらお湯が張ってある浴槽に沈む。


ガヤの褐色の柔肌が自分の白い肌に馴染む。
身動きするガヤの背中が、自分の上半身に触れ、胸の突起に擦れるとそれだけで、下半身が反応してしまう。


「…あたってるよ、」
「ごめん」
「もう、しないからな？」
「分かってるって」


流石に…
めちゃめちゃ抱き潰したいけど、明日も仕事だ。



ガヤの綺麗な脚をするする撫でるだけで我慢しよう。



「どさくさに紛れて拡げんなっ」
「あ、バレた？」



間にいるガヤの股をそろりそろりと開かせていると振り返るガヤは眉を寄せ唇をぷくっと尖らせてた。



「…ガヤ、キスして？」



腕の中にいるガヤをゆるく引き寄せて、その唇の目の前で『んーっ』と唇を突き出した。


その唇に吸い込まれるように、ガヤの唇が優しく触れた。熱い湯気の中に取り込まれそうになりながら、柔らかく熱い舌を受け入れた。




＊


翌朝、今朝も腰を擦りながらガヤは朝食を準備してくれていた。
味噌汁の香りと鯵の干物の香りが心地よい。



「そーいえば、北山の歓迎会なんだけどさ。年度末で忙しいからってまだやってやれてないじゃん？
送別会と一緒になるらしい」
「あー、そーいえば、送別会の回覧来てたな。」
「ん。今週だよね、てゆーか、明日か」
「ま、俺ら幹事じゃないし？北山さんの雇用期間って定めないの？バイトの歓迎会なんて普段しないじゃん」
「そうだっけ？あー、部長命令らしい」
「公私混同も甚だしいね、あの人。仕事できんのに。そーゆ人だとは思わなかったわ」




ダイニングテーブルにガヤが準備してくれた食事を運ぶ。ガヤはもう使った鍋や器具を水洗いし食洗機にぶっ込んでいた。



『北山』、またガヤの口から出てきた名前。
ガヤは無意識なのかよく北山さんの名を呼ぶ。
それに気付いたのは、昨夜だった。



「そー言えば北山さんってガヤのこと『藤ヶ谷』って呼んでない？いいの？」



昨日知った事実を問いかける。
ガヤはその質問に、何か思い出すように笑った。



「よくはねぇけど。勝負に負けたから、許してる」
「…勝負？」
「ま、北山が使える奴だと分かった勝負事をしたんだよ。初日に」



それ以上聞いても笑いながらガヤははぐらかした。モヤモヤする。


許してるって事はガヤが負けたって事で
だから、言いたくないんだろうけど。



朝食の味噌汁は薄く感じた。

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