恋は何歳まで出来ますか？

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「…もう一回、シテ？」
「…裕太くん、もう俺、体力ない」


ついていけません。
オジサンだから、できて、2回なの。
裕太くんは3回目をお強請りしてくる。
裕太くんの方が体勢的にキツいはずなのに、若いって凄い。


待ち合わせ場所に来た時には、何処から手に入れたのか、ロングのウィッグにサングラスをしていた彼は抜かりがない。



「…えー！そんな....」


凄い失望したような表情を見せる裕太くんに申し訳なくなる。


「、ごめんね。だから、若い子と付き合った方がいいよ。その方が裕太くんを満足させられるんじゃないかな」
「…次そんな事言ったら....呪う」



我ながらすごく最低な事を言ってしまったとハッとした瞬間、突き刺さる視線と声。
じどーっと睨んでくる裕太くんの髪をそっと撫でた。ウィッグが外された、地毛のサラサラな髪を。



「ごめんごめん」



こんなに甘い時間は、いつぶりだろう。
自分には、もうこんな時間は訪れないと思ってた。
もう枯れるしかない、と。
趣味のアニメでしか幸せを感じられないと思ってた。至福の時間はないと思ってた。



「オレは、宮田がいいんだよ」
「…ん、」



裕太くんの唇が押し付けられ、それに応える自分は押されっぱなしだ。でも、嫌じゃない。


モダンな部屋に大きなテレビ画面。
マッサージチェアーにお姫様ベッド、バスタブの中が7色に光るレインボーバス。


「オレ、ホテル初めて！すげえ！こんな風に光るんだ、浴槽」

「…初めてなんだ？慣れてるかと思った。女の子とならあるでしょ？」

「…恋人に過去のこと聞くなんて、ホント宮田はデリカシーないね」



ちゃぷちゃぷとお湯を叩き広いバスタブで遊んでる裕太を見て、宮田がそう返すと、裕太はため息を吐いた。宮田は、そんなはしゃいでる裕太を見て、身体だけでなく心も温かくなっていた。
モテモテなアイドル生活、学生生活を謳歌してると思っていた裕太は知れば知るほど、幼く尊いことを宮田は感じていた。



「…オレは宮田の過去のことなんて、聞きたくない」


広いバスタブ。レインボーに光り、バブルが出る。
その泡が二人を包み、寄り添う裕太が何も纏わない宮田の上へと座った。



「…このまま、挿れて？」



──…この小悪魔な彼に、夢中になりそうで怖かった。



泣きたくなった。


花ちゃん以外アニメ以外に
泥沼のように嵌っていく存在を目の当たりにして、
怖くなった。
またすぐ離れた場所へ行かなければならないと知っているから。

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