【シーザー】どろどろのコーヒー【ひすいせき】 ページ6
砂糖をどっさり入れたどろどろのコーヒーを飲みながら、俺はシーザーが微笑みながらコーヒーを入れるのを思い出していた。
あれはいつの事だっただろうか。何故か酷く遠い記憶のように感じる―――――。
たしか、あれはワムウ達と戦う前日のことだっただろうか。
「シーザーちゃん、ちょっとコーヒーでも入れてくんない？」
緊張と恐怖で眠れず、おちゃらけたようにシーザーに俺は頼んだ。
そういえばコーヒーにはカフェインが入っているから眠れなくなるそうだが、実際コーヒーには眠れなくなるほどのカフェインは入っていないんだそうだ。
それをシーザーに言われて初めて知った時、眠れなくなると言われ夜のコーヒーを禁止されていた俺は何だかそれが馬鹿らしく思えた。
馬鹿らしいな、と口に出すと、シーザーは少しムッとした顔でこう答えていたっけ。
『うるさいなこのスカタン、その分だけ俺のコーヒーがまた安心して夜に飲めるようになるだろう』
その事を思い出し軽く現実逃避していると、いつの間に淹れたのか、白い湯気の立つアツアツのコーヒーが目の前にコトン、と置かれた。
「あんがと、シーザーちゃん」
「……ああ」
シーザーにしては、珍しく文句や小言を言わない。……何か、いつもと違う。
「シーザーちゃ、」
「なあJOJO」
シーザーちゃん、と言い掛けて、シーザーに遮られた。何か様子の違う彼に、文句を言おうとした俺も押し黙った。
そして、何をするのかと思った瞬間、シーザーは砂糖を勢いよくコーヒーの中に入れていった。
「え、ちょ、おい」
動揺する俺に構わず、シーザーは砂糖が元々の量の三分の一程度まで減った所でようやくその手を止めた。
「飲め」
「いや、流石に甘すぎるだろ……」
「良いから」
そう押し切られて飲んでみると、やはりどろりとした食感に際どすぎるしつこい甘さ。シーザーは味覚、特に甘さに鈍感になってしまったんだろうか。しかし、まずいのに少しクセになりそうな味だった。
「……甘くて、まずい」
でも、少しクセになりそうだ。
そう付け加えれば、シーザーはふわりと笑って呟いた。
『その味のコーヒーを飲んだとき、必ず俺の事を思い出せよ』
「……思い出してるよ、シーザー」
ぽろぽろとこぼれる涙は、まだ中身のあるコーヒーカップの中に落ちていく。ぼやけた目のままぐいっと飲んだコーヒーは、何だかすこししょっぱい味がした。
――――――――――――――――
長くしてしまってすみませんでした！
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令 - ☆メロディ☆さん» ありがとうございますッッ こちらも遅くなってすいません！ (2016年1月12日 17時) (
レス) id: 87c5cd9cb5 (このIDを非表示/違反報告)
☆メロディ☆(プロフ) - 令さん» 返事超遅くなってすみません（地面に頭刺しながら土下座）どうぞ！！ (2015年12月23日 20時) (レス) id: dce3d3ec90 (このIDを非表示/違反報告)
令 - 私も書かせていただいてもよろしいでしょうか・・・・？ (2015年11月22日 17時) (レス) id: 87c5cd9cb5 (このIDを非表示/違反報告)
レア＠撫子(プロフ) - ☆メロディ☆さん» な、なんかすいません………ありがとうございます！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 13737a5553 (このIDを非表示/違反報告)
☆メロディ☆(プロフ) - レア＠撫子さん» 自分でも納得行かなかったんで削除しました。これで直るかと…。 (2015年11月14日 17時) (レス) id: dce3d3ec90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆メロディ☆ x他2人
作成日時：2015年9月16日 15時
