【２部】夏色のお兄さん【ゆき】 ページ4
私がもっと小さかったとき。
夏休みに両親に連れられてイタリアへ旅行に行ったときの話だ。
私は、一人のお兄さんに会った。
迷子になって泣いている私に気づいたお兄さんは、どこからかたくさんのシャボン玉を出した。知らない景色と青空を閉じ込めたシャボン玉はまるで宝石のようだった。
すっかり泣き止んだ私を見たお兄さんは
｢ちょっと待ってな、すぐ戻るよ。｣
と言うと、今度は突然どこかへ行ってしまった。
しばらくして戻ってきたお兄さんに手渡されたのはミニヒマワリのブーケ。
そしてそのブーケからミニヒマワリをひとつ抜き取ると、私の麦わら帽子に差した。
｢似合ってるよ、ステリッナ。
ヒマワリも笑顔もね！｣
そう言ったお兄さんは
太陽みたいにキラキラしていた。
それからしばらくして、お母さんとお父さんが迎えに来た。お礼を言おうとお兄さんを探したけれど、そこにはもうだれもいなかった。
あれから月日が経ち、私は20歳になった。
住んでいるアパートの小さな庭には、今年もヒマワリが咲いている。３年前に大家さんに頼んで植えてもらったものだ。
あのお兄さんはどうしてるだろうか。
あの時に今の私と同じくらいだったから、もういい歳だろう。
名前もなにも知らないけれど、いつかありがとうを伝えたい。
『お兄さん、いつかの迷子です。あのときは本当にありがとうございました。』
『本当か？ずいぶん素敵なシニョリーナになったじゃないか！！』
そんな甘い夢をみながら
私は夏の青空を見上げるのだった。
お兄さんは今
その向こうにいるなんて知らずに。
―――――
長くなってしまったので補足だけ
ステリッナはお星様という意味です。
感動を目指したつもりだけどほっこりして終わりました…。素敵な企画をありがとうございました！
【シーザー】ヒマワリのコトバ【メロディ】→←エリーゼのために 【承太郎の嫁】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
令 - ☆メロディ☆さん» ありがとうございますッッ こちらも遅くなってすいません！ (2016年1月12日 17時) (
レス) id: 87c5cd9cb5 (このIDを非表示/違反報告)
☆メロディ☆(プロフ) - 令さん» 返事超遅くなってすみません（地面に頭刺しながら土下座）どうぞ！！ (2015年12月23日 20時) (レス) id: dce3d3ec90 (このIDを非表示/違反報告)
令 - 私も書かせていただいてもよろしいでしょうか・・・・？ (2015年11月22日 17時) (レス) id: 87c5cd9cb5 (このIDを非表示/違反報告)
レア＠撫子(プロフ) - ☆メロディ☆さん» な、なんかすいません………ありがとうございます！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 13737a5553 (このIDを非表示/違反報告)
☆メロディ☆(プロフ) - レア＠撫子さん» 自分でも納得行かなかったんで削除しました。これで直るかと…。 (2015年11月14日 17時) (レス) id: dce3d3ec90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：☆メロディ☆ x他2人
作成日時：2015年9月16日 15時
