【REBORN】寡黙少女の奮闘記5 (ページ6)

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第１９６話ページ6

雲雀さんは無駄のない手つきで傷口に処置を施しながらそう言った

私の頭の中を覗いたような、そんな発言に息を呑む

確か、昨日も似たような事があった気がする

『どうして…そんな、私の考えていることが、わかるんですか？』

彼に自分の抱えてきた気持ちなんて話したことないのに

「…さあね」

少しだけ間を置いて、そう答えた

はっきりとした答えが返ってこなかったことに肩を落とす

『さあねって…』

「…わかりやすいんだよ、君は何でも顔に出すから」

『ぅ…』

痛いところを突かれる

丁寧に巻かれたネクタイをなぞりながら小さく呻いた

『…雲雀さんって、結構人のこと見てますよね』

思ったことがそのまま口から出てきてしまう

はっと口を押さえたときにはもう既に手遅れだった

返事が来ないまま沈黙が流れる

そんな状況に少し焦りを覚えた

流石に失礼だったかもしれない

「─────・・・」

告げられた一言に私は勢いよく顔を上げた

『い、今、何て…』

外の戦闘音混じりに聞こえたその言葉をもう一度問おうとした

その瞬間

一際明るい光が室内全体に差し込んだ

先ほどとは比べものにならない程のまばゆさだった

光が消えた後、チカチカと眩む目をこする

開きかけた口を噤んでリストバンドのモニターを覗き込む

『っ…！な、何ですか…これ』

小さな画面に映し出されたのは両手が凍ったXANXUSさんの姿だった

これ、もしかして沢田さんが…？

視線がモニターに釘づけになる

手に汗を握りながら二人の戦いを見守る

激昂したXANXUSさんが攻撃を仕掛けようと走り出す

しかし、突っ込んでくる彼を上回るスピードで沢田さんは鳩尾に一撃を入れた

苦しげな呻き声がリストバンドから聞こえてきた

沢田さんが蹲るXANXUSさんの前に立つ

《零地点突破───初代エディション・・・》

その呟きと共にグローブから氷が生成される

それは瞬く間にXANXUSさんの体を覆い、あっという間に彼を氷漬けにしてしまった

《もうこれが溶けることはない》

あれほど騒がしかった校庭が静寂に包まれる

XANXUSさんは冷凍仮死状態

つまり戦闘不能となったわけだ

後は全てのリングが沢田さんの元へ届けば私達の勝利が確定する

なのに

何故か、胸がざわつく

これで終わりではないと何かが告げている

決着がついたように見えるこの勝負

幕が下ろされるのは、まだ先だ