【REBORN】寡黙少女の奮闘記5 (ページ2)

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第１９２話ページ2

獄寺さんはらしくもなく少したじろいだ

「な、何だよ」

左手に嵌まっていた風のリングを外す

一瞬、感じた拒絶感は断ち切って

『貴方に預けます…沢田さんの元へ、届けてください

クローム髑髏さんのこともお願いします…』

「あ？テメェどこ行く気だ？」

『…わ、私は、雲雀さんのところに…心配なんです

彼はその、足を怪我しているので…』

「…そーかよ」

獄寺さんは少しだけ不服そうな顔をする

けれど行くことを了承してくれた

「雲雀ならB棟にいるはずだぜ

あいつ結構、無茶してたっぽいから手当てしてやってくれ」

『はい…！』

私の我儘を聞いてもらったことにお礼を言う

お互いに背を向けてそれぞれの目的地へと向かおうとした

『っ…二人ともっ！！』

一歩踏み出す前に振り返って二人の名前を呼ぶ

時間がないことはわかっている

けれどこれだけは伝えておきたい

『私…二人のこと、し、信じてます

でもっ、それは心配していないわけではないので…

だからどうか、お気をつけて…！！』

「おう！」

「っ、テメェも気ぃつけろよ！」

「珍しく素直だな、獄寺」

「るせっ、野球バカ！」

再び背を向ける

汗の滲んだ手を握り、B棟へ向かって走った

＊

『これが…B棟…？』

辿り着いた場所で私は呆気にとられた

見慣れた校舎は原型をとどめておらず、まるで廃墟のようだった

(足場、ちゃんと続いているでしょうか…)

これは雲雀さんを見つけるのに少し時間がかかるかも…

雨の争奪戦ってここでやったんですよね

どんな状況で戦ってるんですか…

重々しい扉の中へ足を踏み入れる

今にも崩れ落ちそうな天井を警戒しながら私は雲雀さんを探し始めた

『ひ、雲雀さーん…』

私の小さな声が建物内にこだまする

というか呼んだところで返事は来るのでしょうか

暗い室内を照らすのは外から差し込む戦闘の光のみ

しかも地面は瓦礫ばかりで歩きづらい

人捜しには到底向かない空間だ

しばらく歩き回ってみたが一向に見つからない

もう少し明るければ何とかなるのに

そんなことを考えていると

『うっ…！！』

突然、まばゆいほどの光が教室に差し込んだ

おそらく沢田さんかXANXUSさんの攻撃によるものだろう

いや、明るい方が良いとは思いましたが

ここまでのは求めてないです！

強い光によって眩んだ視界

よろめく体、ふらつく足

案の定、瓦礫につまづいて転んでしまった