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赤とオレンジ 2/カイル ページ3

*

――ガコン、と自動販売機から機械的に缶が落とされた。
カイルが選んだのはスプライト。少し振って渡してやろうともくろんだら、彼に止められた。つまんないの。

外は形容しがたいほど暑くて、これでもかというほど気温は上がっていた。スプライトを買うついでに、最近私のお気に入りのオレンジジュースも買った。
学校からの帰り道、なんだから一緒に帰ろうという話になった。私は別にいいけど、スタンたちはいいんだろうか。
そう聞いてみようと思ったけど、もし彼がスタンたちの方に行ってしまってもそれはそれで物悲しいのでやめとく。


「なんでカイルに勝てないんだろー」

うわごとのように呟くと、彼は癖でうねった綺麗な赤髪を揺らして笑った。


「僕はAより10倍の努力をしてるんだよ」

「いいや、カイルの100倍してるよ」

「じゃあその1000倍だ」

幼稚園児みたいな会話。こんなのがクラス一番なんて笑っちゃう。
そういえばカイルとこうやって話すのなんて初めてで、彼の深いエメラルドみたいな瞳に見据えられて、少し緊張した。紛らわすためにオレンジジュースを何度も飲んだ。


「私は一番になってカイルに勝ちたいのよ」



「Aはもう一番になってるよ」



どういうこと、と聞こうとしてカイルの方を振り向いた。
さっきは痛いくらい見てたくせ、彼はそっぽを向いているなんて、卑怯じゃないか。

なんとなく言葉少なになり、ただ歩いていると彼の家に近づいてきた。落ち着いた緑の外壁に目を向けていると、突然腕を引かれてオレンジジュースの缶が奪われた。

うろたえながらも彼を見上げると、のどをこくこくと鳴らして飲みかけたオレンジジュースを飲んでいた。


「こっちも飲みたかったんだ」


カイルはそれだけ告げるとまっすぐ家の扉へ向かった。
私はいろいろ思うことがあるけど、真っ先に顔を見られなくてよかったと思った。



きっと、彼の髪に負けないくらい真っ赤になってるはずだから。



2015.07.30

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設定タグ:サウスパーク , 短編 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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しらす(プロフ) - あっしゅき (2020年4月2日 17時) (レス) id: 721cc084cb (このIDを非表示/違反報告)
もりた - すっごい好きです。続き待ってます。応援してます。 (2017年3月17日 6時) (レス) id: a88801d335 (このIDを非表示/違反報告)
ももえだ(プロフ) - 浅江さん» わーコメありがとうございます!!s19全話見ましたよー!トゥイークとクレイグが衝撃でした…ww (2016年2月3日 23時) (レス) id: 3e22522982 (このIDを非表示/違反報告)
浅江(プロフ) - そういやs19見てますか!?www (2015年11月22日 14時) (レス) id: 06b4bd4c52 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - ももえださん» うっひょおおお!!更新嬉しいですー!!これからも頑張ってください! (2015年11月3日 22時) (レス) id: 5a445ac752 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももえだ | 作成日時:2015年7月30日 13時

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