慈愛 ページ5
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You side
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電話越しの声は、会っている時よりも甘く響く。
岩《どうかした？少し元気がない気がするけどな》
普通に話してるつもりだったのに…。
チクチクと痛む胸を押さえた。
『…うん。ちょっと疲れちゃっただけ』
そっと自分の肩を抱くと、臣さんに抱き寄せられた感覚が体を熱くしていく…。
電話しながら臣さんの事を考えてる自分が、何とも不誠実に感じてしまう。
…別にそんな事、思う必要もないんだろうけど。
…また…からかわれただけだよ…。
きっとそうだ…。
カーテン越しに空を見上げると、下弦の月が滲んでいる…。
『剛典のところからも月…見えてる？』
岩《よく見えてるよ》
優しい声が胸を打つ。
どうしてなんだろう…。急にこの世の中でひとりになった気分だ。
……。
ママのお迎えを毎日待っていた頃に似ている…。
『…今ね…すっごく剛典のカモミールティーが飲みたい気分』
岩《A…》
『…なあに？』
岩《…泣いてるの？》
…え？
泣いてる？
あたしが？
『泣くわけないじゃん。あたし強いんだから(笑)』
言った後に唇を噛む。
可愛くないな…本当に。
岩《…Aは何階から月を見てるの？》
『…３階だよ。どうして？』
岩《ベランダに出てきて。…顔…見せてよ》
驚いて振り返り、サンダルも履かずにベランダに出て下を覗き込んだ。
自転車に股がった剛典が、外灯の下で手を振っている…。
岩《本当に近いんだな。飛ばして5分かからない(笑)》
暗いけどはっきりと分かる笑顔…。
『何で…？』
岩《声聞いてたら、少しだけ顔がみたくなった》
そう言ってクシャッと笑う…。
岩《禁じられてる訳じゃないけど、何だかロミオとジュリエットみたいじゃない？(笑)》
『……バカ』
岩《酷いな(笑)…こんなに好きなのに》
泣きそうになりながら、無言のまま玄関へ向かい、上着も羽織らず外へ出る。
階段をかけ降り、エントランスを抜けると、自転車から降りた剛典が目を細めた。
岩『…おいで』
そのまま広げられた腕の中へ飛び込むと、震える手で剛典にしがみついた。
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もちたゆ(プロフ) - アン様ご無沙汰しております(*^^*)続編の方なのですが書き留めていたかなりのページ数が消えてしまい意気消沈しておりました…。励みになるお言葉ありがとうございます(*^^*)頑張ろう…またのぞいてみて下さい！ (2018年10月1日 21時) (
レス) id: 5fbd8900a9 (このIDを非表示/違反報告)
アン(プロフ) - 久々来ちゃった( *´艸｀)やっぱ、吸血鬼さん大好きやわ〜〜♪( ´▽｀) (2018年9月30日 23時) (レス) id: 64b2d92415 (このIDを非表示/違反報告)
もちたゆ(プロフ) - ひろ様、コメントありがとうございます(*^^*)なかなか物語を進められず申し訳ございませんm(__)m必ず完結させますので、どうか最後までお付き合い下さい(*´ω｀*)とても励みになりました。ありがとうございます！ (2017年5月16日 22時) (レス) id: 5fbd8900a9 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - こんばんは、はじめまして。続きが気になって一気に読みたいのですがそうもいかず、ヒマを見つけては読ませて頂いてます。挨拶は最新ページまで読んでからと思っていたのですが、もう少し時間がかかりそうなので...どうなるの？吸血鬼の正体を想像しながら読んでます。 (2017年5月16日 20時) (レス) id: cbdd06dc5c (このIDを非表示/違反報告)
もちたゆ(プロフ) - 聖也様、コメントありがとうございます(*^^*)容姿完璧な主人公に対抗するには、内面の美しい良い子でなければいけないと思いました〜。でも少し可哀想だったでしょうか…( ´-｀)是非最後までご覧になってみて下さい。よろしくお願い致します(*^^*) (2017年5月5日 22時) (レス) id: 5fbd8900a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちたゆ | 作成日時：2017年3月9日 18時
