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『ずっりーな、Aは。』
後ろから抱きしめられて頬に剛典の髪が触れる。
『今日は早く帰るんだろ？』
『…うん。』
『だったら…俺を煽るなよ。』
振り向きざまに見上げた唇を一瞬で塞がれ、体の自由を奪う。
どうして急に…。
ピチャピチャとリップ音を鳴らしながら、腰を撫でられ徐々に力が抜けていく。
鋭く熱い瞳があたしを見つめた。
『…Aの舌、すげえ、えろくて甘い…』
『っ…なに…言ってっあっ…』
言い返す間も与えない激しい口づけに気が遠くなる。
執拗な舌の責めと、優しく抱きしめる腕のアンバランスさに頭が溶け出しそう。
気持ちよくて…何も考えられない。
しばらくあたしの口内を堪能した剛典の唇が離れた。
『…俺が欲しい？』
色気を帯びた瞳がまっすぐにあたしを捕らえている。
まるで獲物を仕留めた猛獣のように。
返事も出来ず、されるがままのあたしの首筋にキスを落とした。
『次に会うまでお預けだ…。』
髪を撫でる指が下に降りて、息が上がって熱くなった体を優しく抱きしめた。
『…参ったな…側にいると制御出来ない。どうしようもなく、Aにはまり過ぎてる…。』
囁く声が寂しそうに聞こえて苦しくなるんだ。
…違うよ。
剛典は間違ってる…。
…あたしの方がもう…ずっと。
あなたにはまって身動きが取れないんだから。
『やっべえ…朝から飛ばし過ぎた…。ごめんな、A』
ほらそうやって、別人みたいに我に返るんだもん。
疼いた体はどうすればいいの。
…もう。
不満げに見上げるあたしの顔を見て嬉しそうに笑う。
『…ほら、またそういう顔』
『え？』
『物欲しそうな顔してる…』
『っ…そんな…事ないし…』
気持ちを見透かされて羞恥心が増していく。
『すげえ…そそるから』
あたしの顎にそっと指をかける。
『他の男に、そんな顔…絶対すんなよ』
そんなの…。
あたしの胸をえぐるのは、確かに剛典だけだよ…。
喜びと悲しみの狭間にある切なさに身を投じ、このままずっと側にいられるのだろうと勘違いをしていた。
大切な事を忘れてしまっていたんだ。
この時のあたしは、伝えるべきを伝えていなかったのだから…。
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もちたゆ(プロフ) - アン様ご無沙汰しております(*^^*)続編の方なのですが書き留めていたかなりのページ数が消えてしまい意気消沈しておりました…。励みになるお言葉ありがとうございます(*^^*)頑張ろう…またのぞいてみて下さい！ (2018年10月1日 21時) (
レス) id: 5fbd8900a9 (このIDを非表示/違反報告)
アン(プロフ) - 久々来ちゃった( *´艸｀)やっぱ、吸血鬼さん大好きやわ〜〜♪( ´▽｀) (2018年9月30日 23時) (レス) id: 64b2d92415 (このIDを非表示/違反報告)
もちたゆ(プロフ) - ひろ様、コメントありがとうございます(*^^*)なかなか物語を進められず申し訳ございませんm(__)m必ず完結させますので、どうか最後までお付き合い下さい(*´ω｀*)とても励みになりました。ありがとうございます！ (2017年5月16日 22時) (レス) id: 5fbd8900a9 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - こんばんは、はじめまして。続きが気になって一気に読みたいのですがそうもいかず、ヒマを見つけては読ませて頂いてます。挨拶は最新ページまで読んでからと思っていたのですが、もう少し時間がかかりそうなので...どうなるの？吸血鬼の正体を想像しながら読んでます。 (2017年5月16日 20時) (レス) id: cbdd06dc5c (このIDを非表示/違反報告)
もちたゆ(プロフ) - 聖也様、コメントありがとうございます(*^^*)容姿完璧な主人公に対抗するには、内面の美しい良い子でなければいけないと思いました〜。でも少し可哀想だったでしょうか…( ´-｀)是非最後までご覧になってみて下さい。よろしくお願い致します(*^^*) (2017年5月5日 22時) (レス) id: 5fbd8900a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちたゆ | 作成日時：2017年3月9日 18時
