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デスクの上に小さな花瓶が一つ。
長い茎の先に黄色の筒状花と白い花びら。
さっきから飽きることなく眺めていたAが、思い詰めた様な顔で隆二に視線を向けた。
『ねえ、隆二さん、あたしってこんなイメージ？』
白い花を指差している。
『うーん。どっちかって言えば薔薇とか蘭とかかな。』
想像通りの言葉だったのか、返事もせず再び視線を花に戻す。
『なんだよ聞いといて(笑)』
読んでいた雑誌を置くと、今度はキャスター付きの椅子ごとAの隣に並んだ。
『あいつに貰った？』
『…うん。』
『Aのイメージがこの花だって言ったのか。』
『そう。可笑しいよね。』
少し寂しそうに笑うAの頭をポンと撫でた。
『…意外とちゃんと見てるんじゃねえの。』
『え？』
『外見だけじゃなく、Aの中身を。』
いつもより近い距離感にキョトンとするAの顔を見つめる。
恋する女は綺麗だってあながち間違いでもない。
ここのところのAの色気は尋常じゃない。危険水域を超えている。
今度は頬に触れようとしたその時、ドアが開き臣が勢いよく事務所へ入ってきた。
空で止まった隆二の腕を立ち止まり睨んでいる。
『あっ臣、お疲れ。』
慌ててそのまま腕を上げるけれど、わざとらしいったらない。
『…何してんだよ。』
不機嫌極まりない臣の声に被せるように、今度はAが立ち上がった。
『臣さん！ずっと何処へ行ってたの？』
『…あ？そこに書いてあんだろ、クライアントと打ち合わせだよ。』
『何の？』
『うっせえな、急用なら電話してくりゃいいだろ。俺は忙しいんだ。』
そう言うとギロッと隆二を睨んだ。
その視線をかわすように雑誌で顔を隠す。
『今日、18時から張り込みですよね？』
『だから間に合うように戻って来ただろ。』
『あたしは臣さんの弟子でもあり、仕事上のバディでもあるんですよ？所在ぐらいきちんと教えてもらわないと困ります！』
少しの間静かになった事務所に、耐えきれなかった隆二の押し殺した笑い声が響く。
二人の視線が痛い。
『ごめん、ごめん(笑)…二人共、最近やっといつもの調子に戻ったよな。』
『は？』
『まっ、お前らはいいコンビだよ。』
そう言ってどこかで見たキャラクターの様な笑顔を二人に向けた。
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もちたゆ(プロフ) - アン様ご無沙汰しております(*^^*)続編の方なのですが書き留めていたかなりのページ数が消えてしまい意気消沈しておりました…。励みになるお言葉ありがとうございます(*^^*)頑張ろう…またのぞいてみて下さい！ (2018年10月1日 21時) (
レス) id: 5fbd8900a9 (このIDを非表示/違反報告)
アン(プロフ) - 久々来ちゃった( *´艸｀)やっぱ、吸血鬼さん大好きやわ〜〜♪( ´▽｀) (2018年9月30日 23時) (レス) id: 64b2d92415 (このIDを非表示/違反報告)
もちたゆ(プロフ) - ひろ様、コメントありがとうございます(*^^*)なかなか物語を進められず申し訳ございませんm(__)m必ず完結させますので、どうか最後までお付き合い下さい(*´ω｀*)とても励みになりました。ありがとうございます！ (2017年5月16日 22時) (レス) id: 5fbd8900a9 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - こんばんは、はじめまして。続きが気になって一気に読みたいのですがそうもいかず、ヒマを見つけては読ませて頂いてます。挨拶は最新ページまで読んでからと思っていたのですが、もう少し時間がかかりそうなので...どうなるの？吸血鬼の正体を想像しながら読んでます。 (2017年5月16日 20時) (レス) id: cbdd06dc5c (このIDを非表示/違反報告)
もちたゆ(プロフ) - 聖也様、コメントありがとうございます(*^^*)容姿完璧な主人公に対抗するには、内面の美しい良い子でなければいけないと思いました〜。でも少し可哀想だったでしょうか…( ´-｀)是非最後までご覧になってみて下さい。よろしくお願い致します(*^^*) (2017年5月5日 22時) (レス) id: 5fbd8900a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちたゆ | 作成日時：2017年3月9日 18時
