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百四話 ページ16

煉獄side


煉「A!!」


彼女に向かってとどめの血気術を出した上弦の零から、俺は既のところでなんとかAを守ることが出来た。


煉「…A。俺に嘘をついたな。」


止血剤を打ったならばここまで出血量が多いのはおかしい。


肌の血色も無い上Aの顔は真っ青。


先程出血量が多いだけと言っていたはずなのに、彼女の身体には致命傷と言っても過言ではない深い傷が多く見られた。


軽く彼女を睨みそれにすごんだのを見た俺は、止血剤を打とうとAの懐に手を入れる。


有『…何してるの?』


煉「止血剤を打つんだ。このままだと君は出血多量で死んでしまうからな。」


君に死んでもらっては困る……分かってくれ。


有『…生きて帰る約束だもんね。ごめん嘘なんかついて。』


困ったように微笑むA。


煉「構わないさ。君が生きてさえくれれば。」


Aさえ隣にいてくれれば俺は、腕だって足だって捧げられる。


煉「打つぞ。」


止血剤を打ってさえいれば死ぬことは無いだろう…そう安心したその時、俺の視界が一面真っ赤に染まった。


煉「……は?」


ドサッ!


寄りかかるように倒れ込んだA。


何度揺さぶっても動く気配がない。


脈は既に無く、心臓は音を立てていない。


ただ光のない死んだ魚のような虚ろな目と視線が重なるだけだった。


零「話の最中悪いけど…僕の存在忘れてもらっては困るな…でも隙ができて、やっと彼女を殺すことが出来たよ!」



絶望している俺とは裏腹に上弦の零は、幸せを噛み締めるかのように満面の笑みを浮かべている。


煉「……お前っ!よくもっ…よくもっ…っ…俺の大事なAを殺しておいてっ!」


零「そんなに怒らないでよ!俺は今天国にも昇心地なんだ!やっと殺すことが出来た!この手で!直接!」


狂ったように発狂する上弦の零。


ますます俺の殺意は沸く。


煉「なにが天国だと?何が怒るなだと?お前は頭がおかしいんじゃないのか?」


俺はAの亡骸を安全な場所に置いた後、上弦の零に刀を向ける。


煉「お前は、俺が斬り殺す。」


俺は、Aを殺された仇を刀に込めて大きく刀を振りあげた。

つづく。

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みるく(プロフ) - 華さん» ありがたいお言葉をいただき本当に嬉しいです。最近は忙しくてなかなか更新できていませんが出来るだけ早く更新できるように頑張ります! (2021年10月23日 18時) (レス) id: 14f43f79f7 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも更新楽しみにしています!本当にこの作品が好きです。これからもがんばってください。応援しています! (2021年10月23日 18時) (レス) id: 95cefb630e (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 桃んさん» ありがとうございます! (2021年9月6日 9時) (レス) id: 6c726376e6 (このIDを非表示/違反報告)
桃ん - 続編おめでとうございます!!!!!! (2021年9月6日 9時) (レス) id: 7c2939c0a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるく | 作成日時:2021年9月5日 14時

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