百三話 ページ15
有栖川side
煉「それにしてもすごい出血量だ。止血剤は打ってないのか?」
苦しそうに呟く杏寿郎を安心させるように微笑む。
有『打ちました!だから私に加勢して!』
煉「なら大丈夫だな!ここからは君を全力で守らせてもらう!」
有『頼もしい限りです!』
杏寿郎が安心したように笑う。
本当は止血剤なんて打ってない。
打てるわけないじゃないこれだけの死闘を繰り広げているというのに。
ちなみに私は、普段から止血剤を常備している。
何故かと言うと、しのぶちゃんから「貴方は、貧血体質なのですから少しでも血を無駄にしないように!」と毎回毎回口を酸っぱくして言われているからだ。
いつもなら、止血剤を打たなければいけないはずなのに打っていないので頭は、クラクラするし、気分も優れない…何とか呼吸で耐えている状態だった。
零「柱が、1人増えようが2人増えようが結果は同じ事。全員まとめて殺す。」
煉「Aとの戦いでだいぶん負傷しているようだな!回復も遅くなってきているから俺たちを殺すことは出来ないだろう!必ずAと共に仇をうつ!」
杏寿郎が来たことで上弦の零は、本気で私達を殺しに来る勢いで血気術を放つ。
死ねない。まだ死ねない!お母様達の仇をうつまでは!
私は、更に足に力を込め血気術を跳ね返す体勢を作る。
しかし、すぐに力が抜けてしまい私は膝から崩れ落ちた。
煉「A!!」
身体中が痺れ、視界がチカチカと暗転を繰り返す。
身体から何かが這い出てくるような感覚に襲われ、思わず吐き出す。
手が、彼岸花のような真っ赤な色に染ってゆく。
煉「貴様!俺がいない間にAに何をした!」
青筋を大量に浮かべ怒り心頭している杏寿郎を全く気にせず上弦の零は、淡々とこんなことを口にした。
零「やっと効いてきたみたいだね。僕が一番最初に出したあの血鬼術、実は君を殺すためだけに習得したものなんだ。」
零「やっと君を排除出来る。さよなら。Aちゃん。」
その時、私の目に映っていたのは此方に駆け寄る杏寿郎の姿と、うっとりしたようすで私に向かってトドメの血気術を出している上弦の零の姿だった。
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みるく(プロフ) - 華さん» ありがたいお言葉をいただき本当に嬉しいです。最近は忙しくてなかなか更新できていませんが出来るだけ早く更新できるように頑張ります! (2021年10月23日 18時) (レス) id: 14f43f79f7 (このIDを非表示/違反報告)
華 - いつも更新楽しみにしています!本当にこの作品が好きです。これからもがんばってください。応援しています! (2021年10月23日 18時) (レス) id: 95cefb630e (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 桃んさん» ありがとうございます! (2021年9月6日 9時) (レス) id: 6c726376e6 (このIDを非表示/違反報告)
桃ん - 続編おめでとうございます!!!!!! (2021年9月6日 9時) (レス) id: 7c2939c0a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2021年9月5日 14時