続・いちごのタルト(1) ページ1
* 宮治side
「 A、好きやで 」
急な俺の行動に彼女は固まったままだ
瞬き一つしないので俺もちょっと不安になる
『 美味しいよね、このタルト。私も好きだわ 』
んん?
『 てか、あれで味分かったんだ、珍しいお裾分けでちょっとびっくりしたよ 』
彼女はまるで表情を変えずにそんなことを淡々と話していく
やけに口数が多いのを見れば
少し察してしまう
治「 もしかして、ファーストキスやった? 」
『 …、いや?そんなことは 』
明らかに裏返った声と真っ赤に染まる頬を見れば
それが肯定であることは容易にわかる
治「 好きなんはタルトとちゃうで? 」
意地悪したくなるのは男の本能だろう
小さく座る彼女に詰め寄りながら俺は余裕な表情で彼女を見下ろす
治「 Aが好きなんやで 」
『 ゴフッ… 』
わかりやすい反応に俺は笑いを堪えきれず吹き出す
今までの憎たらしい感じとか
不器用な伝え方とか
全部含めて今はとても愛おしい
治「 なあ、俺ら付き合わん? 」
それは簡単に口からでてきた
もう緊張なんかは全部樋浦が持っていってしまったみたいに
俺は緊張の"き"の字すら感じていなかった
それがまさか、あんな答えが返ってくるとは…
侑「 ええなあ、1組ばっか女子の転校生 」
治「 別に興味ないわ 」
角「 聞いたよ、樋浦さんクラスの前で公開告白してたんだって? 」
治「 んなもんねえわ 」
銀「 なんや、くっついたんとちゃうん?機嫌悪いな 」
侑「 もしや、振られたん…ゴブフッ! 」
樋浦の公開告白は俺の目の前でもないし
それをみんなが知っとる
そりゃもう、付き合うとみんなが思ってた
勿論、俺もや!!!!
『 あ、いや、ごめん。ちょっと無理 』
治「 これで納得いく理由がどこにあんねん! 」
角「 久しぶりに治の大声聞いたかも( 動画撮影中 )」
侑「 んなもん知るか!!俺に当んなや! 」
銀「 絶対なんか裏があるやろ 」
俺の恋はまだまだ成就できないみたいだ
*
皆様からの素敵なお言葉に胸を打たれ
続編を書くことにしました
ゆったり、だらだらと続いていくとは思いますが
今後も2人の恋路を見ていってくだされば幸いです
そして、今回は相方(侑)にも恋の予感が…ということで、楽しみにしていただければと思います!
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やきにく(プロフ) - 続編ありがとうございます!頑張ってください! (2020年9月17日 23時) (レス) id: 5288690d96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たんば | 作成日時:2020年9月15日 19時