最低な日々に｜wtnb (ページ11)

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「なにやってんですか…」

『あの人からね、酔いやすいからお酒は飲むなって言われてたんだけど、もういいの。』

『私、公園でこうちゃんに言われたことがずっと引っかかっててさ』

「あれは！」

『逃げられないとか、変われないとか、そんなの言い訳だったんだって気づいたの。だから、私、変わりたい。素直になりたい。』

涙がぽつりとAさんの手の甲に落ちた。

その手を握り、俺は口を開いた。

「俺の事、好きになってくれませんか」

『ずっと前から、好きだったよ』

微笑んだその顔があんまり優しくて、つい泣いてしまった。

Aさんは俺の頬を伝う涙を手で拭い、また優しく微笑んだ。

『じゃあ、離れる準備しなきゃな』

「俺の家、狭いですけど、来ていいですよ」

『本当？ありがとう。ふふ、楽しみだなぁ』

「迎えに行くから、それまでに準備しといてくれますか？」

『急だけど、それ今週の土曜でもいい？』

「もちろん」

俺は溜息を一つついたところで

「俺、今めっちゃ幸せだな」

と呟いた。

『私も幸せ』

彼女からその言葉が返ってくることだけで満足だと思えた。