相合傘 - 須貝さん �� ページ19
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俺がその人と出会ったのは、
その日が初めてだった。
だけど、初めて会った気がしなくて、
君を放っておけなくて。
・
《梅雨前線の影響で、東京では夕方から夜にかけて、活発な雨雲に》
朝の情報番組の天気予報を横目に観ながら、
食べ終えた朝食を片付け始めた。
服と髪を整えて、リュックを背負い、東京の街に呑まれていく。
朝の満員電車は、何年乗っても、気が滅入るほどの窮屈さだ。
会社に出勤してからも、それは消えなかった。
退屈な事務作業、上司の叱責、部下の教育。
社会がこんなにも狭く、窮屈だなんて、
学生時代は思いもしなかった。
大人になれば、自由になれると思っていた。
午後5時きっかりに、私は家路を急ぐ。
予報通り雨が降っていた、しかも大雨だ。
私はそこで、家に傘を忘れている事に気づいたが、コンビニに買いに行く余力も無く、
とぼとぼと歩みを進めた。
雨が止んだのは突然の事だった。
私の頭上に降っていた雨が止んだ、と言った方が正確かもしれない。
「傘、無いんですか？」
後ろを振り返ると、背の高い、
私と同い年くらいの男性がいた。
この人、どこかで…
『忘れちゃって…』
「俺でよければ、傘貸しますよ？」
『悪いですよ、私、電車乗らなきゃだし』
「あぁ、だったら、うち来ません？あぁ！！変な意味じゃなくて、傘、もう一本あるんで貸しますよ。」
私がその誘いにのったのは、
傘が欲しかったなんてことじゃない。
ただ、何故か、心が貴方に惹かれていくから。
貴方が私を助けてくれるような気がしたから。
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佐々木さん(プロフ) - めぐみさん» らリクエストありがとうございます！！！更新頑張ります！！！ (2020年5月31日 6時) (
レス) id: 343f873ea6 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ - あ！あと、更新頑張ってください！！応援してます！(｀・ω・´)尸 (2020年5月30日 18時) (レス) id: 6022793049 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ - リクエストです！！山本さんのゆる~いお話を...！ (2020年5月30日 18時) (レス) id: 6022793049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐々木 | 作成日時：2020年5月26日 14時
