五話 ページ6
体が震える。
怖くてしょうがなかった。
途方もない虚無感と恐怖が私を襲っていた。
『……どこ？どこに行っちゃったの？善逸さん達も私のこと置いていくの？』
『ねえ、一緒に来てよって言ったじゃん。』
目に張った涙の膜が崩壊しそうになった時、ぼやけた視界に二人の子供が屋敷に入っていくのが見えた。
危ない。
こんな所に入って行ったらあの子達が死んじゃう。
裾で涙を乱雑に拭き、思わず子供のあとを追いかけた。
引き戸が軋みながら開く。
私は中へズカズカと入り込み、一番手前の戸を開けた。
何故かあの子達は見当たらなくて、取り敢えず探せばいいか、と考えどんどん戸を開けていく。
途中、弱い鬼達を迷わず血精霊で殺し、あの子達の気配を頼りに中を進む。
続けざまに気配が移動し、何度か迷いそうになった。
気づいたら戻れなくなっていて、後にも引けない。
さっきまで気配が重なっていて分からなかったけれど、どうやら善逸さんと兄が、炭治郎さんと妹が合流しているみたい。
なんだ、置いていかれて、捨てられたわけじゃなかったんだ。
安堵の息を零し、より精密に気配を探る。
鬼は不特定多数居る。
あと、知らない人間が二人。
猛スピードで移動する獣みたいな気配と、少年の気配。
少年の方は、雰囲気が似てるし、あの子達の血縁かもしれない。
まあ、私は善逸さんと合流しよう。
丁度真上に気配が移動してきた。
ぶつからないように少し位置をずらして、私は
ものすごい音がして床が抜ける。
善逸さんは驚いて腰を抜かし、男の子は固まった。
『置いていくなんて酷いですよ善逸さん。』
私がそう言うと、善逸さんはピクピクと指を動かし、
「えっ……あ、え？Aちゃんだよね…？あれ…？」
「え？つっよ。無理無理。さっきまで怖がってなかったっけ？だから外に居させたのに…。え……？？？床抜けたよね？？？？」
ぶつぶつと呟いている。
最後の方しか聞こえなかったけど、どうやら私のことを思って置いてきたらしい。
なあんだ、やっぱり勘違いだったんだ。
『取り敢えず、外に出ましょう？』
私は嬉しくなって相好を崩しながら問うと、単純な善逸さんは、ニヤニヤと笑って
「そうだね！！！」
私と男の子の手を掴み走り出した。
善逸さんはしきりに耳をすまし、出口を探しているようだった。
なるほど、耳がいいんだ。
いいこと知ったなあ、と手を引かれながら呑気に考えた。
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あす(プロフ) - 夏風邪が早く治るといいですね(*^^*) 続きいつも楽しみにしています。 これからも頑張って下さい!!!! (2019年7月18日 0時) (
レス) id: ca71b1eaaf (このIDを非表示/違反報告)
meika(プロフ) - ｳｯ(心肺停止)、、、なにこれ夢主ちゃん可愛いぃぃい！！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 2daad6deba (このIDを非表示/違反報告)
A i - 読んでみて凄い良かったです！ (2019年7月6日 22時) (レス) id: 7938bbdbeb (このIDを非表示/違反報告)
布袋尊(プロフ) - 続きがみたいィィィィィイ (2019年7月6日 17時) (レス) id: 4e763fa650 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 面白いですうううう(><) (2019年7月6日 14時) (レス) id: 162618ebf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾辻桃瀬 | 作成日時：2019年6月30日 13時
