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四話 ページ5

「ねえ、Aちゃん。Aちゃんはなんで善逸何かと居るんだ?」

「何かってなんだよ?!」

炭治郎さんの最もな疑問に、善逸さんが喚く。

『……お兄ちゃんが、心配だから。私が守ってあげないと。』

「え?俺そんなふうに思われてたの!?」

だって、どう見ても彼は弱い。

何故彼はこんな所に居るんだろうか。

「…大丈夫、Aちゃん。善逸は……」

と、炭治郎さんが何か言いかけた時。

「カァァ!!駆ケ足!駆ケ足!!炭治郎、善逸、A、走レ!!共ニ向カエ、次ノ場所マデ!!」

突然響いた声。それは、炭治郎さんが連れていた烏から発せられていた。

「ギャーーーーーーッ、カラスが喋ってる!!」

そう言ってひっくり返った善逸さんに、炭治郎さんはまた冷たい目を向けていた。



山奥の、一軒のお屋敷。

まあ、私が住んでいるお屋敷には叶わないけれど、それなりに大きいのではないだろうか。

「血の匂いがするな…、でもこの匂いは「えっ?何か匂いする?」」

「ちょっと今まで嗅いだことない「それより何か音しないか?あとやっぱり俺たち共同で仕事するのかな」」

「音?」

全く空気の読めていない善逸さんの声。

炭治郎さんの言葉を遮っている。

それを気にしない炭治郎さんも炭治郎さんだと思う。

『……この感じ、』

弱々しい気配の中に、一つ、抜きん出た気配を感じた。

強さでいえば、十二鬼月に届くかどうか…それくらい。

何でこんなところに来たの?

ここで仕事をするの?

私は、未だ知らなかった。

彼らが、旦那様の脅威になりうるだなんて。

ふと彼らの方に目を向けると、炭治郎さんが二人の子供に声を掛けていた。

その時、先程の気配がこちらに近づいてくるのがわかった。

それと同時に、鼓を叩くような音が聞こえる。

『ぁ、思い出した……。』

私の声に重なるように、血塗れの男の人が落ちてきた。

「見るな!!」

そう叫ぶ炭治郎さんの声が遠くに聞こえる。

私は、口元が歪むのがわかった。

ああ、なんて甘美何だろう。

この屋敷の鬼は、旦那様に捨てられた鬼なのだ。

私は、旦那様に愛されている。

この鬼とは、違う。

自分の顔を見られたくなくて、着物の袖で顔を隠す。

ねえ、名も知らぬ鬼さん。

『ご愁傷さま。』

その直後、顔を上げて気づいた。

みんなが、いない…。

先程までの満ち足りた気持ちが、一気に冷めていくのがわかった。


−−−

順位が着きました。

皆様の応援のお陰です。

有難うございます。

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あす(プロフ) - 夏風邪が早く治るといいですね(*^^*) 続きいつも楽しみにしています。 これからも頑張って下さい!!!! (2019年7月18日 0時) (レス) id: ca71b1eaaf (このIDを非表示/違反報告)
meika(プロフ) - ウッ(心肺停止)、、、なにこれ夢主ちゃん可愛いぃぃい!! (2019年7月10日 18時) (レス) id: 2daad6deba (このIDを非表示/違反報告)
A i - 読んでみて凄い良かったです! (2019年7月6日 22時) (レス) id: 7938bbdbeb (このIDを非表示/違反報告)
布袋尊(プロフ) - 続きがみたいィィィィィイ (2019年7月6日 17時) (レス) id: 4e763fa650 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 面白いですうううう(><) (2019年7月6日 14時) (レス) id: 162618ebf0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾辻桃瀬 | 作成日時:2019年6月30日 13時

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