三話 ページ4
『我妻様、今どこへ向かっているのですか？』
私がそう尋ねると、彼は顔の前でぶんぶんと手を振り、
「様！？な、名前でいいよ！！！……あ。」
突然固まったかと思うと、
「そうだったぁぁぁぁぁぁあ"あ"！！死ぬ死ぬ！！無理"っ！！！！死"ん"じゃう"！！！！」
そう叫びながらうずくまり、のたうち回り出した。
なんて情緒不安定な人だろう。
ああ、旦那様が恋しくなってきちゃった……。
ほとほと困り果てて、辺りに助けを求めると、
「……だ、大丈夫ですか？」
一人の女の子が声をかけてくれた。
事情を説明しようとすると、
「えっ、あっ……頼むよ！！結婚してくれぇ"！！！！」
善逸さんが彼女にすがりついてしまった。
顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
「頼むよ！！頼む頼む頼む！！結婚してくれ！！！」
女の子が可哀想だ。
こんなことなら助けて貰わなければよかった。
「いつ死ぬかわかんないんだ俺は！！だから結婚してほしいというわけで！！頼むよォーーーーッ！！！」
私にも女の子にも被害が……。
そんな時、一筋の光明が差し込んだ。
「助けてくれ！！結婚してくれ！！！」
「何してるんだ道の真ん中で！その子も、この子も嫌がっているだろう！！そして雀を困らせるな！！」
善逸さんにそう言い放った少年。
救世主だ…！！
感動して彼に後光がさして見える。
彼のあまりの神々しさに、私は彼らの会話の重要な部分を聞き落としていたのだ。
そして、彼が、私から旦那様の匂いを嗅ぎとったこともまた、私には知る由もなかったのである。
「君は？帰らないの？？」
後方に見える善逸さんは疲れきっているようだった。
『あ〜……私は…。』
言い淀む私に、善逸さんが助け舟を出してくれた。
「俺の妹だよ！！名前はA！可愛いだろ〜？！！」
いささか無理があるように感じるが、彼は気にしていないようだった。
「そうか。大変だな、君も。俺は竈門炭治郎。よろしくな。」
そのきらきらとした笑顔に、つられて微笑む。
『よろしくお願いします。』
炭治郎さんは、少し頬を染めて、行こうか。と私に手を差し出した。
−−−
たくさんの評価、有難うございます。
拙い文章では有りますが、何卒ご贔屓に。
追記:二話の公開設定をミスしていました。申し訳ありません。
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あす(プロフ) - 夏風邪が早く治るといいですね(*^^*) 続きいつも楽しみにしています。 これからも頑張って下さい!!!! (2019年7月18日 0時) (
レス) id: ca71b1eaaf (このIDを非表示/違反報告)
meika(プロフ) - ｳｯ(心肺停止)、、、なにこれ夢主ちゃん可愛いぃぃい！！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 2daad6deba (このIDを非表示/違反報告)
A i - 読んでみて凄い良かったです！ (2019年7月6日 22時) (レス) id: 7938bbdbeb (このIDを非表示/違反報告)
布袋尊(プロフ) - 続きがみたいィィィィィイ (2019年7月6日 17時) (レス) id: 4e763fa650 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 面白いですうううう(><) (2019年7月6日 14時) (レス) id: 162618ebf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾辻桃瀬 | 作成日時：2019年6月30日 13時
