検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:45,752 hit

一話 ページ2

『旦那様ぁ、どこ〜?』

広いお屋敷の中に響く私の声。

旦那様(むざんさま)はどうやら私を置いていったらしい。

琵琶の子を呼んでみても、知らないの一点張り。

いつもそう。

おそとが危ないからって、旦那様は過保護になりすぎてる。

そりゃ、そとの世界はこわいよ?

でも、旦那様にふさわしいお嫁さんになるには、強くなきゃいけないと思うの。

だから、

『……おそとを、克服してきます!と。』

ちょっと内緒の、家出。



『ふっふーん。ふふふ〜ん!』

鼻歌を歌いながら、街を歩く。

きらきらわいわいしてて、知らないものばっかり。

なぁんだ、全然怖くない!

楽しくなって、足取りが軽くなる。

大きな通りを抜けて、角を曲がったら、

『あれっ?静かになっちゃった。』

見渡す限りみどり色。さっきまでの賑やかさがうそみたい。

みんなぁ、どこ〜?

お空に聞いてみても、まあ、返事は無い訳で。

……家、帰れない。

道がわからない。

こんなことなら、上弦の誰かについてきてもらえば良かった。

もう、旦那様に会えないかもしれない。

そとの世界が一気に色を失う。

なんだか気が遠くなり、ふらっと体が傾く。

「えっ?ちょっと、大丈夫?!」

高い男の子の声が、聞こえた。



『……ん、』

明るい日が私を照らす。

視界に、明るい金髪が広がった。

『だれ?』

小さく問いかけると、目の前の人は笑った。

「良かったァァァァァァ!!起きたんだね!!!俺は我妻善逸!!!!!結婚しよう!!!!!!」

耳がキーンとした。

なんて騒がしい人なんだろう。

旦那様とは大違い。

取り敢えず助けて貰ったお礼を言おうと、

私は体を起こし、彼に向き直った。

二話→←設定



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (107 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
274人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あす(プロフ) - 夏風邪が早く治るといいですね(*^^*) 続きいつも楽しみにしています。 これからも頑張って下さい!!!! (2019年7月18日 0時) (レス) id: ca71b1eaaf (このIDを非表示/違反報告)
meika(プロフ) - ウッ(心肺停止)、、、なにこれ夢主ちゃん可愛いぃぃい!! (2019年7月10日 18時) (レス) id: 2daad6deba (このIDを非表示/違反報告)
A i - 読んでみて凄い良かったです! (2019年7月6日 22時) (レス) id: 7938bbdbeb (このIDを非表示/違反報告)
布袋尊(プロフ) - 続きがみたいィィィィィイ (2019年7月6日 17時) (レス) id: 4e763fa650 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 面白いですうううう(><) (2019年7月6日 14時) (レス) id: 162618ebf0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:綾辻桃瀬 | 作成日時:2019年6月30日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。