6話 ページ7
「てか傑!ほんとに忘れたのかよ!」
てかって何だ。てかって。Aが怪我してるだろう。
怒った顔して。本当にガキだ。
「てかじゃないよ悟、覚えてるけど。明日にしよう」
「えー、俺明日任務あんだけど!!」
「アハハ、硝子、私歩けるよね?」
「ああ、足は怪我してなかったからな」
悟は一転してフン、と聞こえそうなほど得意げな顔をこちらに向ける。
全く。病人を無理させるとは。Aの「じゃあせっかくだし今日やろう!」という言葉で私の部屋に集合することが決まった。
日が暮れてすっかり夜になった。今日は一日出ずっぱりだったな。
「はーい、五条、お誕生日おめでとう!お疲れ様!」
「五条お疲れ乾杯ー!」
「悟、おめでとう」
「ありがとな!!!」
硝子がさっそく酒を開ける。悟は照れているのを誤魔化すように大声を出した。
「そーいえば今年の交流会クソほどおもんなかったな!」
「そうだね、結局私たち4人で全部やったようなものだし個人戦も先輩方に全勝、気まずかったね」
「
「コラ悟」
「傑も思ってるくせに!」
「あ、来年は直哉さんが入学じゃない?一個下でしょ確か」
「そーなの?でも直哉雑魚じゃん」
知らない男の名前。きっと悟同様呪術界で有名な人なんだろう。
「夏油、直哉さんのこと嫌いそ〜」
「分かる、どうせ初対面で前髪いじられてブチギレするだろ」
「それ私も四月にやられたなぁ、笑っちゃってごめんね」
「そのときはすまなかったね・・・」
初対面で前髪を笑われ呪霊を出してしまったのをここで言われるとは。
まだ高専のシステムをよく知らず警報が鳴って大層驚いたのを覚えている。席を立ちあがって逃げもせず半笑いのまま手のひらの上に何かを生み出すAにもびっくりした。アレは小さな呪具だったのかなぁ。
そのあと入学早々2人で夜蛾先生に怒られたんだっけ。懐かしいな。もうあれから8カ月か。
「五条、16歳なんだからもうあんま怪我すんなよ〜」
「マジで早く反転できるようになりてー!硝子すげぇよなー」
「感覚だよ、ヒューッとやってヒョイ」
「分かんねーよ!」
「センスねぇな」
また悟の怒った顔。高専に入る前の生活からは考えられないくらい毎日が刺激的で楽しい。
きっとこれからも続くんだろう。何せ私たちは最強だし、Aと硝子も特別なのだから。
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さなひ - 控えめに言って好きな物語!! (2月17日 23時) (レス) @page1 id: b4a06095b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃茶 | 作成日時:2024年2月17日 23時