君は空を飛べない【呪術廻戦】 (ページ4)

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３話ページ4

「うわ、いい生地だな。高いんじゃないの？」
「そうでもねーよ」

悟に部屋で浴衣を着せられる。
久しぶりの四人揃ったオフの日。待ちに待った夏祭りだ。
そして、Aに告白する日。
あー。もう緊張してきた。

「てか何で行くんだ？ここから歩くのかい」
「あー？高専結界出たら傑の呪霊に乗ればいいだろ」
「乗せてくださいって言えないのかい、それに君は飛べるだろ」
「いーだろお前の呪霊案外乗り心地いいんだよ」
「仕方ないな」

手際のいい悟はもう着付けを終わらせた。

「Aおせーな、いつまでかかってんだ」
「女物は時間がかかるんだろ、ちょっとぐらい待ちな」

硝子はAに浴衣を借りたらしかった。
実は清岡家は五条家の分家だそうで彼女も実家が太いようだ。

「悟待ち受け変えた？」
「優香！」
「おお」

くだらない話をしていると２人が門まで出てきた。

「待たせたな」
「ごめんね～」
「似合ってるね、行こうか」

やっぱり凄く可愛い！心の中で叫んだ。

「・・・何だよ悟」
「べっつにー？」

悟が歩きながらバシバシと背中を叩いてくる。
はぁ、なんか恥ずかしいな。

「呪霊に乗せてってくれるってほんと？」
「おーおーそりゃありがたい、確か今調子悪くて飛ぶやつは３体までしか出せないんだよな夏油？」
「えっ」
「そうなのか傑！俺らはゼッテー１体ずつがいーからお前ら一緒に乗れよ！」
「あ・・・A、すまないね、私と一緒でもいいかな」
「うん、体調は大丈夫なの？」
「ああ、大丈夫だよ、さあ乗って」

硝子・・・！悟・・・！
これほど同級生に感謝した日はないだろう。体調はむしろピンピンである。

「おー、夏油の呪霊ってやっぱ乗り心地いいよね」
「そう？」

背中に熱を感じる。今日もいい匂いだな。

******

「おーい悟！！！」
「硝子ー！！！」

２人とはぐれた。Aと二人っきりになってしまった。
今がチャンス、か？
動悸を鎮めて普段のような口調で話しかける。

「A」
「・・・何？」
「ちょっといいかな」
「？」
「あ、あのさ」
「うん・・・？」
「ずっと好きだった、私と付き合ってくれないかな」
「・・・えっ」

言えたは言えたが恥ずかしくて顔を見れない。ああ、言わなければよかった。いや、今区切りをつけておいた方がよかったのか。言ってしまった。あー、悟まだかな。

「その、よろしくお願いします・・・」

蚊の鳴くような声が目の前で聞こえたと思ったら顔を真っ赤にしたAがいた。