【ブラクロ】猫耳天然魔導士は、黒の暴牛団副団長。 (ページ10)

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♯9　冗談ページ10

少年に対しヤミさんは禍々しいオーラを放ち、片手で頭を持ち上げた。
男の子の体が宙に浮く。

バンダナの男の子は、悲鳴を上げながら足をじたばたしている。
うわあああ、このままでは男の子が犠牲に…！魔法騎士団入団試験で殺人とか、シャレにならないよ本当に！！

『えっと、ヤミさん！お、落ち着いてください！！そしてやめてあげてください！！』

急いでヤミさんの腕を引っ張る。
すると、ヤミさんはニヤリとしてこう言った。

「…Aが黒の暴牛団に入るなら考えてもいいけど？」

『……えっ！？』

はい、また出ました、ヤミさんの唐突な発言。

でも…実はユリウスから魔法騎士団のことを聞いたとき、どこの団でも魔法帝になれると言っていたので、団に関しては特にこだわりがなかった。

ただ、一番星の数が多い団は金色の夜明け団だとは聞いていたから、願わくば…とは思っていたのだけど…

……まあ、それで男の子の命が助かるのなら…！

『試験を見て、ヤミさんが私を入れたいと思ったのなら入ります！』

「ぶはっ、冗談だ冗談！」

それを聞いたヤミさんは男の子の頭をパッと離す。

「た、助かった～…」

ヤミさんに頭を握りつぶされかけていた男の子は、解放されてホッとした表情を浮かべていた。

「助けてくれてありがとうな！俺はアスタ！！」

『私はAって言います…！よろしく、アスタくん！』

サッとフードをかぶって自己紹介すると、
「おう！」と、力強い返事が返ってきた。

なんとなくアスタくんとは仲良くなれる気がする、なんて思い
アスタくんの方を見ていると、その後ろから強い魔力を感じた。

風属性の強い魔力…それは黒髪の男の子が持っている魔力のようだった。
しかも、その男の子が持っているグリモワールは…

『…四葉のグリモワール…』

「…虹色四葉のグリモワール…」

黒髪の男の子と声が重なる。どうやら黒髪の男の子も、私と同じようなことを考えていたらしい。

「俺はユノ。アスタと同じ、ハージ村出身。よろしく」

『私はA。よろしくね…！』

また知り合いが増えた…！！覚えられるかな…
え～っと、ヤミさんにヴァンジャンスさん、アスタくんとユノくん…。
一人ずつ名前を確認していると、今度は金髪の人が走ってきた。

…誰？？

「フッハ、美しいお嬢さん発見…！俺はセッケ！よろしく！フッハ！！」

『フッハ…？よろしくね！』

「そうそう、フッハ…じゃなくて、セッケ！！」

…ややこしい…。