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♯8 魔の相性 ページ9

ヴァンジャンスさんの透き通った薄紫色の瞳。

目が合った瞬間に、ドクンと心臓が音を立てる。

…体の中の魔が溢れて、ヴァンジャンスさんの方に弧を描いて飛んでいく。
お互いの(マナ)が混ざり合って溶け合い、美しい光の粒に変わった。

…なんだか、すごく心地いい…


温かい何かに包まれる感覚がして、思わず目をとじ……

って、おいおい…!
目を閉じてる場合かっ!!

そこでやっと我に返る。



…なにこれ、なんか変な光の粒が空中にできてる…!?

驚いて目を見開いていると、

「君とは魔の相性が良いみたいだ…」
ヴァンジャンスさんはうっとりとした表情を浮かべながら、こちらを見た。

…魔の相性とかあるんだ…!面白いっ…!!
新事実を知り、ついつい目を輝かせてしまう。


じゃあ、二人で合体魔法とかできちゃうのかな!?魔法の系統が似てるってことなのかな!?
なんて考えを振り払い、深く深くお辞儀をする。

『あ、あの!ヴァンジャンスさん、本当にありがとうございました!』

「私は金色の夜明け団団長として、当たり前のことをしただけさ
キミ…Aと言ったね。試験、幸運を祈っているよ」


そう言って柔らかく微笑むと、ヴァンジャンスさんはマントを翻して行ってしまった。

空中に漂っていた光の粒が消え、魔が自分自身の中に戻ってくる感覚がする。
心なしか、魔がさっきよりも強くなった気がした。

「ヴァンジャンスと魔の相性が良い…?あははは、やっぱおもしれえ!!
Aって言ったか…?」

「はい!」

「精一杯頑張れよ!」

「は、はい!!ありがとうございます!」



肩をバシバシ叩かれながらも、感激する。
ヤミさんからも頑張れって言ってもらえた…!
もう頑張るしかないよね!!よ〜し、絶対試験に合格してみせるぞおおお

と、闘志を燃やしていると、

ヤミさんの大きくたくましい背中に、バンダナをつけた少年がぶつかった。

…デ、デジャヴを感じる…


どうやらバンダナをつけた少年はアンチ鳥に追いかけられ、逃げていたようだった。


「ぶつかってごめ〜ん」

「…殺すぞ小僧」

うわっ、ヤミさん怒ってる…!
このままでは少年が殺されちゃうかもしれない…!ど、どうしよう…?


仲裁に入ろうか迷っていると、少年が先に口を開いた。

「お前すっげえ老け顔だなあ〜今までどんだけ苦労したんだい?ははっ」




…だ、だめだこりゃ…

♯9 冗談→←♯7 不思議な瞳



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チョコチップ - とても面白かったです!更新待ってます! (2022年4月6日 13時) (レス) @page16 id: 634191f277 (このIDを非表示/違反報告)
ラス(プロフ) - 楽しみに待たせて頂きます(^^) (2020年4月19日 0時) (レス) id: 1f177645ae (このIDを非表示/違反報告)
4月生まれなのに雛人形(プロフ) - とても面白くて続きが気になります!これからも無理しない程度に更新、頑張ってください! (2019年9月4日 15時) (レス) id: e95920caaa (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 前団挙手じゃなくて全団挙手だよ。 (2019年4月14日 23時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 紹介出来そうな相手は居た!? (2019年4月14日 23時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うさまる x他2人 | 作成日時:2019年3月25日 12時

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