【ブラクロ】猫耳天然魔導士は、黒の暴牛団副団長。 (ページ13)

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♯12　ライバルページ13

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そして、最終試験が始まった。

「貴族である神聖な俺の魔法を受けるがいい！炎創成魔法、ファイヤーボール！」

先手を打ってきたのは、相手の男の人。
たくさんの火の塊が私の方をめがけて飛んでくる。

…………が、飛んでくるスピードが遅すぎる。
…あんな大口叩いてたのに、たいしたことない魔法だな…ちょっと残念かも…

光のスピードで攻撃をよけ、その間に魔法を発動。

「水創成魔法、水神の鉄槌…光創成魔法、神の裁き…！」

背後に回り込み、攻撃。

「ぐはっ…！」

その攻撃をまともに受け、あっけなく会場の壁に打ち付けられる男の人。
…と、静まり返る会場。

えーっと、相手を戦闘不能にしたら勝ち、なんだよね…？
あまりにも会場内が静かなので、おどおどしてしまう。

えっ、と…ユノくんにお礼を言わないと…
そう思い、ユノくんを探して会場内を見渡していると、団長さんたちがこちらを凝視していることに気が付いた。

はえっ、みなさんなんでガン見してるんですか…！？
しかも瞳がギラッギラに光ってません！？

にこやかに手を振るヴァンジャンスさんと、笑っているヤミさんでさえも目がギラッギラだ。

なんだか怖くなったのでとりあえずヤミさんとヴァンジャンスさんに軽く頭を下げ、さっきの男の人の方に視線を戻す。

壁のそばでうずくまり、ピクリともしない男の人。あっちが喧嘩を売ってきたとはいえ、申し訳ない気持ちになる。

『意識ない……痛かったですよね…ごめんなさい…光回復魔法、神の祝福』

回復魔法を唱え、男の人が起き上がるのを見ると
急いでフードをかぶった。そして、ユノくんの元に逃げるようにして向かう。

「あ、待て！」

何か言われた気がするけど、気にしない気にしなーい。

会場の隅にユノくんを見つけ、駆け寄る。

『ユノくん！さっきは助けてくれてありがとう！』

「……気にするな」

ユノくんは壁にもたれかかり、腕を組んでいた。
ちょうど夕日が沈んできたので、その姿はとても映える。
…さすがイケメンだな……
なんて思っていると、ユノくんは首を傾げ、質問した。

「Aは、魔法帝を目指していたりするのか？」

『うん！もしかして、ユノくんも？』

「ああ」

『じゃあ、お互いにライバルだｎ……「ちょっと待ったーーー！！」』

ライバルだね、と言いかけたところで
ダダダダダダ、と赤い髪の男の子が走ってきた。

……なんだか、紅蓮の獅子王団団長さんに似ているような…？？