【ツイステ】僕は、面倒事に絡まれたくないんだよ！3

第39話 ページ26

A「あ、ツノ太郎...ぁ、」


グリムが考えた名前が口に出てしまい、咄嗟に口を隠す


「ツノ太郎？ツノ太郎とは...まさか、僕の事か...？」

A「あーえっと...グリムがつけてくれました...」


「ふっ...ふふ、ははは！」


急に笑い出した...ツノ太郎は一頻り笑った後、僕を見て不安を煽る笑みを浮かべる


「この僕をツノ太郎とは！本当に恐れが知らないと見える、まぁいい、好きに呼べと言ったのは僕だ
その珍妙なあだ名で僕を呼ぶことをお前に許す」

「...ところで」


そう言ってツノ太郎はオンボロ寮に視線を向けて喋り始める


ツ「ここ数日この寮の中が騒がしいようだ、お前たち以外にも寮生が...？」


僕はツノ太郎の横に立って同じようにオンボロ寮を見ながら話す


A「寮を担保に取られてしまって...後一日で寮の権利が取られてしまうんです」


ツ「なに？アーシェングロットと取引を...？なるほど...そうか」


まだ名前を出していないんだけど、そんなにアズール先輩は有名なのだろうか


ツ「では、きっと明日の日没後にここはアイツの所有物となり騒がしい生徒達の社交場になるだろう」


ツノ太郎の言葉に僕は眉を顰める


ツ「...ふ、何やら異議がありそうな顔だ。お前が負ける前提で話しているのが気に入らないか？」


A「いえ、そこは気にしてないです。けど、急に知らない世界に飛ばされて、知らない文化を見て
その時点で僕の頭はいっぱいだと言うのに、面倒事に絡まれて、

挙句の果てには住む場所すら取られると思ったら、腹が立っただけです」


まぁ、この寮を担保にしていいと決めたのは最終的に僕なんですけどね、と最後に付け加える


ツ「......ところで、この寮の壁には、見事な彫刻のガーゴイルがあるな。」



A「...は？」


急に話が変わり、思わず敬語が抜けてしまった


ツ「ガーゴイルというのは、一見禍々しい姿をした怪物の彫刻に見えるが...
実は雨水が壁面を汚さぬように作られた雨どいの一種なんだ

見た目こそ恐ろしいが、あれらは屋敷を大切に慈しむ存在...ということだな」


僕は何も言わずにただオンボロ寮にあるガーゴイルを見ていた


ツ「目に見えるものとその実態は時として真逆なこともある
...この場所が毎夜騒がしくなるのは僕も遠慮願いたい」



せいぜい足掻いて、寮を守って見せるがいい



そう言ってツノ太郎は姿を消した


A「見た目と実態が...真逆...」


その言葉を頭に入れ、鏡舎に向かった

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