僕が本を読む理由ー5 ページ6
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けどせっかく借りたんだし頑張って読んでみるね、とサーヤは言うと飲み終わったのか、カップを片し始めた。
僕と伊吹も飲み終わってるのを確認すると、一緒にトレイにのせ、キッチンの流しへと運ぶ。
「もうこれだけなので洗っちゃいますね。他に洗うものないですよね?」
確認するように、伊吹を振り返るサーヤ。
「ああ、他はもうない。悪いが、ここを任せてもいいか?少し上で仮眠とってくる」
「わかりました。…しっかり休んでくださいね」
連日、夜遅くまで新メニュー開発に取り掛かっているからだろう、目の下にはくまを浮かべている。伊吹は立ち上がるのドアにかけていたプレートを裏返すと、階段を上っていった。
「大丈夫かな、伊吹さん」
伊吹の登っていた階段を見つめたサーヤは、心配そうな顔のまま、カップを洗い始めた。
「まぁ…大丈夫だろ。自分の体調管理ができないほど、あいつは馬鹿じゃない」
料理のことになると人が変わったかのように熱心になる伊吹だが、それぐらいの見境いはつくだろう。そんなふうに思って言ったのだが、
「もう、レイヤくんったら。そんな風に言ったら怒られるよ?」
「…悪い」
軽くサーヤに叱られてしまった。サーヤ曰く、年上の人にそんな言葉遣いは駄目ということらしい。最早伊吹や圭吾は気にしてないようなので、いいと思っていたのだが。
どちらからともなく会話が途絶えると、ぼんやりと洗い終わったカップを鼻歌交じりで拭いているサーヤを見つめた。機嫌がいいのか真剣に拭いているからなのか、こちらが見つめていることには気づいていないようだ。そんな様子が可愛いなんて考えていると、そもそも下に降りてきた訳を思い出した。
本を読む理由、か。
一体、僕はどうして本を読み続けているのだろう?何か見返りを欲して読んでいるのだろうか。
ふいに、視線に気づいたのか、顔を上げたサーヤと目が合った。徐々に赤みが増してく頬は林檎というより苺のようで、ゆっくりと見開かれていくその純真無垢な瞳に吸い込まれそうになる。
どちらも視線を外せなくなったまま、少しの時間が経過したが、先にくすっと笑いだしたのはサーヤの方だった。
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桃(プロフ) - ゆうたんさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります! (2016年7月28日 21時) (レス) id: 5aa2eaac6e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうたん - とってもおもしろいです!再新頑張ってください(^▽^)/ (2016年7月26日 13時) (レス) id: 9ccd65c474 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - チカさん» ありがとうございます!21巻は読んでていろいろと大変でした…。更新頑張ります〜( ´ ▽ ` ) (2016年6月21日 20時) (レス) id: 5aa2eaac6e (このIDを非表示/違反報告)
チカ(プロフ) - 高校合格おめでとうございます。21巻は確かにヤバかったですね!ゆっくりでも良いので更新頑張ってください(*^^*)応援してます! (2016年6月21日 6時) (レス) id: b0a8b8ef26 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - ゆうさん» 返信遅くなりすみません。コメントありがとうございます!読みやすさは個人的にはまだまだですが、そう言っていただけると有り難いです(o^^o)黎紗好きさん!!!周りにいないので本当に嬉しいです( ; ; )ふたりいいですよね…!続きの執筆頑張ります! (2015年5月24日 12時) (レス) id: 5a1aaa4d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃 | 作成日時:2015年4月27日 0時