僕が本を読む理由ー2 ページ3
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思えば本というのは、この世界で初めて僕が興味を持ったものなのかもしれない。
サーヤに会うため、魔界からここー人間界に降り立って。
人間界には、魔界とは違い娯楽に溢れていた。
魔界にも娯楽と呼ばれるものが無かった訳ではない。けれど明らかに人間界と比べると種類も少なかったし、技術も劣っていた。その分、悪魔は娯楽より精気を欲していたのかもしれないが。
テレビというものもこっちで初めて知ったし、その中で展開されている芸能界というものも僕には物珍しく映った。
他にも音楽や映画など、たくさん“初めて見るもの”はあったが、唯一本は僕にとっても見慣れたものであった。
流石に魔界にも本は存在していた。…だが、その殆どは歴史書や堅苦しい文献などで、物語は数少なかった。
だから、人間界にはこんなにも沢山の本が、物語があるなんて思いもよらなかったのだ。
そのことを知ったきっかけは、圭吾が僕を本屋に連れて行ったことだと思う。
魔界から僕が来て、さぞかし圭吾は驚いただろうが、彼は色んなものを僕に与えてくれた。
だけど僕は探しに来た姉に会えずにいたからか、特に何にも興味を示さなかったのできっと扱いに困ったのだろう。
学校に通うようになる前、気分転換にと近くにある大きな本屋に連れ出された。
そこで一冊の本を圭吾に買ってもらう。
家に帰ってそれを読了する頃には、すっかり僕は本というものに魅力を感じていた。
どうせやることもない。次の日には図書館で圭吾のカードを使って片っ端から本を借りていった。
貪るように本を読み続けていると、直ぐにこれまで自分が知らなかった言葉がでてくる。
それらは圭吾に聞いて教えてもらったり、辞書を借りて意味を調べたりした。
意味が分かると再度読み返し、その後また違う本を読んで新しい言葉に出会う。
その繰り返しを、面白いと思えるようになるまで、そう時間はかからなかった。
恐らく僕は勉強が、というよりこの世界のことを知るのが好きなのだろう。
だから圭吾から学校に行かないか、と言われても特に反抗しなかったし、むしろ行きたいと思ったほどだ。
それに、この世界の何処かにいる姉も通っているなら、行けば同じ感覚を味わえるかもしれない、という気持ちもあった。
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桃(プロフ) - ゆうたんさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります！ (2016年7月28日 21時) (
レス) id: 5aa2eaac6e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうたん - とってもおもしろいです！再新頑張ってください(^▽^)/ (2016年7月26日 13時) (レス) id: 9ccd65c474 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - チカさん» ありがとうございます！21巻は読んでていろいろと大変でした…。更新頑張ります〜( ´ ▽ ` ) (2016年6月21日 20時) (レス) id: 5aa2eaac6e (このIDを非表示/違反報告)
チカ(プロフ) - 高校合格おめでとうございます。21巻は確かにヤバかったですね！ゆっくりでも良いので更新頑張ってください(*^^*)応援してます！ (2016年6月21日 6時) (レス) id: b0a8b8ef26 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - ゆうさん» 返信遅くなりすみません。コメントありがとうございます！読みやすさは個人的にはまだまだですが、そう言っていただけると有り難いです(o^^o)黎紗好きさん！！！周りにいないので本当に嬉しいです（ ; ; ）ふたりいいですよね…！続きの執筆頑張ります！ (2015年5月24日 12時) (レス) id: 5a1aaa4d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃 | 作成日時：2015年4月27日 0時
