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大倉side
Aから急に出たその名前に、俺は思わず身構えた。
あの大量の写真が送られた後も、たびたび写真や、悪質な配達物が送られてきていて、
最近は、どこから仕入れたのかわからへんけど、Aの携帯宛に無言電話があったりもしたらしい。
外に出るのをなるべく控えたりはしとるけど、もうそろそろ限界やった。
せやけど、なんでAから達也の話…?
大「達也が…何?」
「私、達也さんのこと調べたんです。そうしたら、大変なことがわかりました。」
…大変なこと?
「…達也さんの会社は、表向きはとても成功し、労働環境も良いように見せていますが、実際はかなりブラック企業のようです。
残業は当たり前、社員の労働時間は基準をかなり越えているようで、過去には過労で体調を崩してしまっている人もいるみたいなんですけど、ケアなどは一切なし。あげくの果てには、不要になった社員は、退職金もなしに強制的にクビにされるみたいで…。」
大「そんな…。」
絶対いい会社を作ろう、と言って、2人で立ち上げたあの会社。
最初はよかった。俺達2人
、そしてまだ少ししかいなかった社員たちと、励まし合い、協力しあいながら、がむしゃらに走った。
でも、会社が大きくなればなるほど、達也は収入や作業効率のことばかり言うようになって、
社内のトラブルも増えていった。
多分やけど、俺がクビになったことで、達也にものを言える人がいなくなったから、達也を誰も止められなくなったんだろう。
俺達への嫌がらせも、きっと俺のことが邪魔やから。
俺が、幸せになるのが許せないんやろか。
…もう、あの時の達也はいなくなったんや。
そう考えると、すごく、悲しかった。
「このままでは、社員の方の命が危険です。それに…たあくんも。
今達也さんがやっていることは間違っています。何とかしないと、達也さん自身も、もっと壊れてしまいます。
…その前に、何とかしないと。」
大「せやけど、どうやって…?」
確かに、あの会社を、…達也をあのままにしておくわけにはいかない。
でも、何を、どうしたらいいん?
Aは何を考えているんやろか。
そんな思いで、Aを見た。
「…私が、達也さんに会いに行きます。」
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もちこ(プロフ) - さなさん» はじめまして!そう言っていただけて光栄です… これからも頑張っていきますのでよろしくお願い致します!コメントありがとうございました! (2022年3月10日 19時) (レス) id: 00a139ae99 (このIDを非表示/違反報告)
さな - 初めまして。前作の丸山さんから読んでいます。次の展開楽しみにしています。 (2022年3月10日 17時) (レス) @page29 id: 603606fd19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちこ | 作成日時:2021年4月25日 8時