21 ページ23
Aside
しばらく抱き締められたあと、大倉さんがまた口を開いた。
大「この際やから、１つ聞いてもええ？」
「？」
大「もし、Aが、そういう仕事してるんやったら、その、普通の仕事と違って、収入が無いわけやろ？
せやけど、Aは、俺の病院代とか借金とか返してくれた。
そのお金ってさ…どこから出とるん？」
そっか、確かに冷静に考えたら不思議だよね。
「実は、今私が使っているお金は、大倉さんの前の方の遺産です。」
大「！」
「確かに私は仕事をしている間は収入がありません。
だから、私の仕事が果たされるとき、
…つまり、その方が亡くなられた時に、私に残る遺産が、私のお給料です。
大倉さんの前の方は兄弟などもいない方だったので、私に全額残してくれました。だから、今は、そのお金を、自分の生活費や、大倉さんを支えるために使っています。」
大「…そうやったんや。じゃあ、俺の遺産も、次の人のために使われるんやな。」
「はい。…大倉さんがそれを許してくれるなら。
次の方は、大倉さんのお金を使って、精一杯幸せにする努力をします。
ちなみに、その前の方のお金が余分に余ったら、その分はどこかに寄付しようと思っています。」
大「そっか…すごいな！ほんなら、次の人のために、俺、頑張って稼がんとな！」
そう言ってくれる大倉さんは、本当に、心が優しくて、素敵な人。
大「せやけどさ…」
「？」
大「…俺が生きてる間は、ずっと俺のこと見ててな？
仕事だからやなくて、ほんまに俺のこと好きになってもらえるように、俺、もっと頑張るから！」
大倉さん、安心してください。
そうやって言われて、今すごくドキドキしてしまってる私は、
…もうとっくに、あなたを好きになってしまっているみたいですから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちこ(プロフ) - さなさん» はじめまして！そう言っていただけて光栄です… これからも頑張っていきますのでよろしくお願い致します！コメントありがとうございました！ (2022年3月10日 19時) (
レス) id: 00a139ae99 (このIDを非表示/違反報告)
さな - 初めまして。前作の丸山さんから読んでいます。次の展開楽しみにしています。 (2022年3月10日 17時) (レス) @page29 id: 603606fd19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちこ | 作成日時：2021年4月25日 8時
