○潤 ページ18
・
大きい音は嫌でもお父さんを思い出す。
じっとしたままで口を開けて、
尖った機械が入ってくる…。
何もかも苦手で、怖くて。
身体の震えも涙も止まらない。
まだミラーしか入れてないのに…。
でも先生もにぃもすごく優しくて…。
歯「よし、じゃあ虫歯綺麗にしようね。
お兄さんが10数える合間に終わっちゃうからね」
潤「んっ…」
翔「おっと…」
思わず逃げたくて体を起こそうとする。
翔「ごめんね、10秒頑張ろうな」
智にぃと翔にぃが俺の体と手を抑えて。
歯「ちょっと、ごめんね〜」
潤「！？」
開口器を入れられて、口も閉じれず舌も動かせない。
俺はパニック寸前…。
潤「…っ…っ」
歯「よし、始めるよ〜」
大きな音がして、体がビクつく。
それが口の中に入ってきて、
尖ってる機械なのが嫌でも分かる…。
智「にーい、さーん、しー…」
『頑張りたい』意志だけじゃどうにもならない恐怖心。
でも、智にぃの声と…。
翔「すごいなぁ潤、頑張ってるね」
翔にぃの声と…。
歯「痛いことはないよ、大丈夫」
先生の声はちゃんと聞こえて…。
歯「よし、おしまい」
ちょうど10秒智にぃが数えたら終了。
潤「はぁっ…は、ぁッ…」
俺はたったこれだけで汗だく…。
呼吸も浅くしか出来なくて苦しい…。
翔「頑張ったな…ゆっくり呼吸しよ」
智「偉いねぇ、落ち着いたら口ゆすごうね」
タオルで涙と汗を拭ってくれる。
俺…出来たんだ、頑張れた。
パニックにもならないし薬も飲んでない…。
潤「んっ…でき、た…」
そう言ったら二人が頭を撫でてくれて。
最後に詰物と薬を塗ってくれて…おしまい。
歯「潤くん、とっても上手だったね。
これよければどうぞ〜。好きな紫にしたよ」
潤「ありがとう…！」
持ち手が紫の歯ブラシを先生がくれて。
「また検診の時ね」って言われて歯医者を出る。
潤「あ、れ…っ」
翔「おっと…大丈夫か？」
歯医者を出た途端ふらつく足。
ほっとしたのかな…力が上手く入らない。
智「頑張ったから、疲れちゃったね」
翔「車までおんぶしようか」
潤「ありがとう…」
甘えてぎゅっと背中にくっつく…。
家についてもたくさん甘えさせてもらって。
潤「みて！これもらったの！」
雅紀「お！よかったねぇ！」
和「かっこいいじゃん！」
帰ってきた二人にも歯ブラシを見せて頑張った報告。
怖かったけど、がんばれてよかった！
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みゅうな(プロフ) - ちぷさん» お読みいただきありがとうございます。そうですね…たくさんあるお話の中の彼らと一緒に現実で揃う日を一緒に楽しみに待ちましょう。ゆっくり楽しみながら更新致しますので、楽しんでいただければ幸いです！ (2021年5月19日 23時) (
レス) id: 984ee72405 (このIDを非表示/違反報告)
みゅうな(プロフ) - RedButterflyさん» お読みいただきありがとうございます。楽しんでいただければ幸いです。 (2021年5月19日 23時) (レス) id: 984ee72405 (このIDを非表示/違反報告)
ちぷ(プロフ) - こんにちは！更新ありがとうございます。大好きのお話なので嬉しいです。彼ら揃ったところを見られないのは寂しくて仕方ないけどそれでも好きな気持ちは変わらなくてずっと占ツクでお話を探してしまっています。ゆっくりでも更新してもらえたら嬉しいです！ (2021年5月12日 10時) (レス) id: 5d7000c446 (このIDを非表示/違反報告)
RedButterfly(プロフ) - 更新ありがとうございます。楽しみにしています。 (2021年5月11日 19時) (レス) id: 51dc9e08cd (このIDを非表示/違反報告)
みゅうな(プロフ) - ぴさん» ぴ様 お読みいただきありがとうございます。ゆっくり更新になってしまいますが、楽しんでいただけたら幸いです。 (2021年5月10日 22時) (レス) id: 3992cf7183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅうな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2021年5月10日 15時
