◇１０◆ ページ22
・
潤「はー・・っか、ず・・離れない・・？」
和「ん、離れない。傍にいる」
潤「ほん、と・・んっ、げほっ・・」
和「本当。だから落ち着いて？苦しくなるよ」
潤「んっ、けほ・・」
そこからはびっくりする位すぐ落ち着いて。
ぎゅうっと抱き着いてきたから、俺も抱きしめ返す。
和「横になろ？熱上がってる・・」
潤「やだ・・このままが、いい・・」
和「じゃあ抱きしめたまま、ね？」
潤君を支えたまま、寝室へ。
一緒にベッドに入ってぎゅうっと抱きしめる。
潤「かず、かず・・っ」
俺の存在を確かめるように抱き着いてくる。
すっぽり入った俺の腕の中で、軽く震えてる潤君の体。
細くて、脆くて、壊れちゃいそうな小さくて。
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――覚悟が付いた。離れるなんて、俺が無理だ。
・
俺の胸に顔を埋めたまま潤君は話し出す。
潤「俺、あの日も怖かったけど、
和が・・はなれる、ほうがこわ、い・・」
せっかく落ち着いた涙が、再び溢れる。
それほどまでに、俺が離れる事が怖いって事か。
そんなの――俺だって、同じだよ。
和「ごめん、俺も離れたくなんかない。
でも傍にいる自信なくなって・・逃げたくなっただけだった。
どうかしてた。ほんと、ごめん。泣かせてごめん・・」
潤「・・俺も、黙っててごめんなさい・・」
和「俺が、見落としたのが悪いよ。教えて？潤君の気持ち」
潤「・・」
・
チラッと俺を見上げる潤君。
大丈夫の意味を込めてそっと頭を撫でる。
・
潤「――あの日から、外が怖い。
怖い夢も、いっぱい見て、起きちゃって・・」
和「うん」
潤「でも、俺のせいで、和怖がらせたから、
頑張らなきゃって、怖がってちゃダメだって・・」
和「うん」
潤「寝るのが、怖くて寝れなくて・・。
頑張ってたけど、体調崩しちゃって・・」
和「うん・・頑張ってくれて、ありがとう」
潤「和も、怖いの隠さないで？俺に、言ってほしい・・」
・
――お互い気を遣って、言わな過ぎた。
お互いが、相手のために気持ち隠して頑張りすぎた。
ただ、話せばよかっただけなのに。
そうしたら、苦しみも半分こにできたのに。
・
何で、こんな不器用なことしかできないんだろう。俺は。
・
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しょうちゃん(プロフ) - 続きが読みたいです！ (2020年5月19日 23時) (
レス) id: d034f78533 (このIDを非表示/違反報告)
梶 - おもしろかったです！たまに涙が出てくるようなシーンがあって話に夢中でした｡ありがとうございます♪ (2018年5月3日 12時) (レス) id: 11356a9e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅうな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2017年8月18日 1時
